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美唄 我路(その3)

その1 その2

サイクリングロードは終わり、我路への集落に入った。
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月並みな感想ではあるが、とてもこんなところに以前は2万ぐらいの人が住んでいたとは信じがたい。
そこだけ時間が止まっているような、奇妙な感じを覚えた。

我路のバス停。
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時刻表。冬以外は運行されていないようだ。
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美唄と言えば、美唄焼き鳥なのだが、こんなところに店があって客は来るのだろうか?
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我路ファミリー公園。
キャンプ場になっているが、熊は出そうだし、お化けは出そうだし、こんなとこで泊まりたくないぞ。
とてもファミリーで来るようなところではない。
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三菱美唄記念館。残念ながらこの日は休館日だった。
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それにしても、こういうところをロードバイクで走るのは死ぬほど違和感を感じる。
クラシックのコンサートに紅白の小林幸子の衣装でやってくるようなチグハグさだ。
GIOSブルーが、まるで風景にそぐわず妙に浮いている。

では、こういうところに向いている自転車は何か?
ブロンプトンも都会的過ぎて似合わない。
MTBはまだましのような気がするが、ぴったりという感じではない。
MTBの破壊的な力強さが、この地の静寂をすべてぶち壊すような感じがするのだ。

やはり、こういうところに向いている自転車は、ランドナーでありスポルティーフである。
しなやかなクラシックスタイルの自転車が、こういう「廃」の風景にはよく似合う。
いつかは旅用のランドナーorスポルティーフで、こういった秘境めぐりをしてみたいものである。

そして、もうひとつ我路の集落に感じたものがった。

それは、めちゃくちゃ恐ろしいということである。

この恐ろしさは、お化けが出そうとか、そういう霊的なものとは違う。
(私は心霊現象の類を一切信じない人間で、夜中に墓地を歩くことにもまったく恐怖を感じない)
熊が出てきて襲われそうだという恐ろしさは確かにあるが、
私の中に湧き立つ恐ろしさの根本の原因とは、何か違うような気がする。

何と言うのだろうか。
この廃れた地に、自分の中の闇を見つけるような気分。
自分の過去がさらけ出されているようで、そこから目を背けたくなるような感じ。
「オレは昔のことなんて思い出したくない!もういいだろう。終わったことなんだ!」
走馬灯のように、幼少時代の嫌な思い出がぐるぐる回った。
「やめてくれ!助けてくれ!」
一刻も早くここから逃げ出したい心境だった。

ここには豊ヶ岡駅のような、母性的な人を暖かく包み込むような感じはまるでない。
ただあるのは、過去に取り残された闇ばかりであった。

そのように感じた理由はよくわからない。
わからないのであるが、我路到達からものの5分ぐらいで「帰りたい」という衝動に駆られ、
再び、美唄市街方面へとペダルを漕いで行ったのである。
本当は更に奥地に進んで、いろいろ見たいものがあったのだが・・・。

この不思議な恐怖心と焦燥感の正体は何だったのであろうか?
それを確認するためには、もう一度この地に行く必要があるだろう。

でも、ひとりで行くの怖いから、今度帰省したとき一緒に行こうよー>ゆげ氏 (私信)

(つづく)

by gossy54200 | 2010-09-03 18:49 | ロード  

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