そうだ!小樽へ行こう!(その2)

その1

「スパイクMTBで札幌から小樽まで行くのだ」と意気込んでいたが
張碓の坂で、この無謀な試みに全力で後悔しはじめた。

なにしろ、自転車が進まない。
まるっきり進まない。
下り坂に入って、「よし!これからが俺の時代だ!」と思ったのであるが
雪が深くて、一生懸命にペダルを漕いでも、時速5kmぐらいしか出ない。
これだったら、自転車を押して歩いた方がマシだ。
何が悲しくて、下り坂なのに自転車を押して歩かなければならないのか・・・。
トホホ。

新張碓トンネル。
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自転車乗りにとって、トンネルは非常に恐ろしい空間なのであるが
今回に限っては、歩道は広いし、雪がなくて自転車に乗って行けるし、風は当たらないしで快適であった。
豪雨の中、礼文華トンネルを通ったときもそうだったが
悪条件のときは、トンネルの閉鎖空間に心底癒されるのである。

そして、トンネルを抜けるとそこは・・・
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雪國だった・・・
って、ヒネリも何もあったもんじゃないな。

やはり歩道はガタガタで、すぐにタイヤがとられて、とても自転車に乗ってられない。
ああ、夏だったら40km/hぐらいで、ビューンと快調に飛ばせる下りなのに
どうして、時速4kmぐらいで、チンタラ自転車を押して歩いていかなければならないんだ。

雪はますます激しさを増します。
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そして、空はどんどん暗くなっていく。
これは心細い。
この心細さは格別だ。

ああ、人間というものは、自然の中ではちっぽけな存在なんだなあ・・・・・・。

そんな厳しい自然の中で、ひとり自転車を押して歩いていると、しみじみ思う。

ああ、人というのは、孤独な存在なんだなあ・・・・・・。

今まで、自転車に乗ってきて、激坂、豪雨、強烈な向かい風などなど
様々な逆境を味わってきたが、はっきり言おう。

今回ほど、心が折れたことはなかったと。

あー、こんなことやるんじゃなかった。
こんなバカなことはしないで、おとなしくナイタースキーにでも行ってりゃよかった。

コソさんのブログで、冬場に自転車に乗ると八甲田山の気分が味わえると書いてありましたが
もう、これは八甲田山どころじゃないね。
北アルプスだよ、北アルプス。
気分は冬山単独行。
一歩間違ったら、遭難するぞって感じ。
自転車に乗るのも命がけだよ、ホントに。

ハァ・・・、ハァ・・・。
一歩一歩の足取りがなんて重いのだろうか・・・。
パトラッシュ・・・、ボクはもう疲れたよ・・・。
なんだか・・・、とても・・・、眠いんだ・・・・・・・・・。
もう・・・、ここで・・・・・・、寝てもいいかな・・・・・・・・・。
ここで・・・、寝たらさあ・・・、きっと幸せになれるよね・・・・・・・・・。
もう・・・、二度と・・・、目覚めることはないかもしれないけど・・・・・・・・・。
好きなことをやって、永遠の眠りにつけるって・・・・・・、最高に幸せだよね・・・・・・・・・。


いかーん、バカ、バカ、バカ!
目を覚ませ!寝たら死ぬぞ!
歯を食いしばれ!生きて、小樽の街までたどり着くんだ!

気力をふりしぼり、暗闇の中、なんとか一歩一歩前へと足を進めていった。
今までの経験上、例えどんな困難なことがあろうと
ゆっくりでも前に進めば、ゴールにたどり着くということはわかっていた。

足は鉛のように重い。
それでも、亀のように一歩一歩、着実に歩みを進めていった。
すると・・・・・・


うまそうなラーメン屋を発見したので、中に入ることにした。
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先週の日記で、「負け犬」の雰囲気が漂うラーメン屋であると
山岡家のことを評したが、全力で訂正しよう。
山岡家こそ、勝者のみがたどり着くことのできる、王者の風格があふれるラーメン屋であると。

ああ、店の中の暖かい空気と、豚骨の刺激臭がものすごく心地いい。
山岡家でのできる限りの贅沢、特味噌ネギチャーシュー半ライスセットを注文した(1060円)

ラーメンがやってきた。いただきます。

う、うまい・・・。

もう、これは身に染みる・・・。

山岡家のラーメンってこんなにうまかったのか・・・・・・。

あまりの感激に、食べる前に写真を撮り忘れたので、食べかけの写真で勘弁して欲しい。
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最高にうまかった。
きっと、この状況だったら、山岡家のラーメンでなくても
例え、青汁チャーハンだろうが、おしるこスパゲッティだろうが、何でもうまく感じたに違いないが
これだけ心が満たされるのは、山岡家以外にはありえないと思う。
ありがとう、山岡家。

私にとって、うれしいとき、つらいとき、悲しいとき、自分に罰を与えたいとき
常に山岡家という存在があるのだな。
味が云々という次元を超えて、魂を感じるラーメン屋なのである。

よーし、山岡家パワーで、どんどん先に行ったるで!
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朝里の辺りから、また路面状況がよくなって、普通に自転車に乗って行けるようになりました。
それでも、時速10km行くか行かないかぐらいですけど。

小樽築港駅。
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写真の観覧車に、昔乗ったことがあったなあ。
当時、ちょっと仲良くなりたいなあと思った女性と。
でも、今考えたら、実は大して仲良くなりたいと思ってなかったのかもしれないな。
あの時は、吹雪の中、観覧車からは雪以外のものは何も見えなくて
二人で気まずい時間を過ごしていたなあ。

初対面のときから、何となく合わないのはわかっていた。
でも、紹介してくれた人の手前もあるし、きっとお互い無理して好きになろうと努力していたんだなあ。
結局、最後はボロボロの状態になって
彼女の方から、きっぱりと別れを切り出してくれて、救われたなあって思ったなあ。

もう、他人の紹介で女性と付き合おうと思うのはやめよう。
向こうとしては、善意のつもりで「会うだけ会ってみたら」という軽い気持ちなのかもしれないが
私にとって、それは呪いとなって、「どうしても仲良くならなきゃ」と、のしかかってくるのだよなあ。

そんなガラスのハートを持った(by ゆげ2号さん)、独男のひとり言であった。

ちょっとセンチメンタルな気分になりながら、本日の目的地「オスパ」に到着です。
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(つづく)
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by gossy54200 | 2011-01-24 23:24 | MTB | Comments(4)  

Commented by waltz_t at 2011-01-24 23:52
北アルプス以上のものを感じます・・・(特に写真3枚目)
街の中を走るのとは違って、市から市へと向かうのは精神的にもキツイと思うんですよ。休んだら冷えるから休めないというプレッシャーもあるし。
あぁ・・・・・
Commented by 店員A at 2011-01-25 11:13 x
自転車を生業として生きている人間でもここまで、、やる人は少ないなぁ、、(反省をこめて)。特に今シーズンは乗れない日々が続きますのでGossyさんの投稿楽しみに拝見しております。
Commented by gossy54200 at 2011-01-25 21:17
>コソさん

ホントに張碓~朝里間は最悪でした。
スパイクMTBに乗る人のブログは数多くあれど
市から市へ向かう人がほとんどいないのが、わかるような気がしました・・・。
Commented by gossy54200 at 2011-01-25 21:21
>店員Aさん

何も知らないということは恐ろしいことです。
たかが35kmぐらい、夏なら2時間かからないで行けるところなので
そんなに大したことはないだろうと思っていたのですが・・・。
いくら小さい峠といえ、張碓峠の真のパワーを感じた一日でした。

これなら、つどーむで20km走った方がラクです。ホントに。

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