そうだ!小樽へ行こう!(その3)

その1 その2

ほんの思いつきで
「真冬に自転車で小樽に行ったらどうなるんだろう」ということを実験してみたが
実験の結果

もう、こんなことは二度とやらねえ

という結論に達した。

夏だったらロードで2時間弱で行ける小樽も
今回は4時間以上かかって、平均速度が8.6km/hと
「走った方が速かったんじゃないか?」というレベルの、極めて困難と苦痛に満ちた走りであった。

そんなほうほうのていで、なんとか温泉「オスパ」に身を滑らせることができた。
もう、「オスパ」が砂漠の中のオアシスのように見える。
これだけ苦労して行った温泉だ。
きっとすばらしい温泉に違いない。

入浴料1000円を払って中に入る。
(基本料金は800円ですが、タオルを持っていかなかったので、別途タオル料が200円かかっています)
健康ランドに比べて、こじんまりした建物なんだが、妙に料金が高いなあ。

着ているものを全部脱いで、風呂に入ろう。
下着類は汗だらけで、猛烈な悪臭を発している。
熟慮の結果、Tシャツとパンツは捨てることにした。
こんなものは、とても家に持ち帰りたくない。
ポイ。
(タオルを持ってこなかったが、下着類の着替えは持ってきていた)

浴室に入ります。
なんか高い割には狭いような気がする。
でも、すいているので、狭いことに対する不満は特にない。
むしろ「ガラガラバンザイ」と叫びたくなる気分だった。

かけ湯をかけて、風呂に入ろう。
うげ、熱っ!

私は41度以上の熱い風呂が苦手である。
内風呂は3つあったので、どれか一つぐらいは、ぬるい風呂なんじゃないかと期待していたが
どれも熱い風呂だった。がっかり。

仕方がないので、最初は足だけつかって
3分ぐらい経って、慣れたころに腰までつかって
そんでもって、もう3分ぐらい体をなじませたところで、肩までつかるという戦法をとった。

塩分が効いていて、しょっぱめのお湯だ。
あー、体の芯からポカポカして気持ちいい。
あまりの気持ちよさに、カクンと首を垂れ、記憶を失ってしまった。
わかりやすく言うと、風呂場で寝てしまったということだ。

まあ、あれだけしんどいことをして疲れているんだから、眠くなるのも仕方ないな。
風呂場で寝るのは危険なので、2階の大広間に上がって改めて寝ることにした。

健康ランドとかの仮眠室は、リクライニングチェアだったり、敷き布団などがあったりして
「寝」の環境としては申し分ないのであるが
この温泉は、ただ大広間の床の上で雑魚寝する形である。

ほとんど人がいない大広間のすみっこで、眠りの体勢に入る。
風呂でポカポカした体が気持ちいい。
横になった瞬間、至福の眠りに陥ったのであった。
恐らく、これが2011年の中で、最も幸せな眠りだったのではないだろうか。
もっとも、2011年に入ってまだ1ヶ月も経っていないが・・・・・・。

2時間後。
なんだか、ザワザワやかましい、おばちゃん連中の声が聞こえてくる。
年金がどーとか、保険がどーとか、そんな話をしている。
頼むから人が寝ているそばで、大声で話さないでくれよ。
というか、あれだけガラガラだった大広間なのに、なぜわざわざ私のそばに来る。

幸せな眠りの邪魔をされて、私はめっちゃ機嫌悪いっつーの。
おばちゃん連中への抗議の意味もこめて
勢いよくムクっと起き上がり、あからさまに不機嫌な顔をして、軽くガンを飛ばしながら
彼女達の横を通り過ぎ、2度目の風呂に突入しようとしていた。

すると、呼び止められた。
「ちょっと、おにーさーん」
何がお兄さんだ。お前らはキャバレーの呼び込みか。
無視して、スタスタ行こうとしたら
「何か落としてますよー」

ケータイが落ちていた。
勢いよく起き上がったときに、ズボンのポケットからポロリと落としてしまったようだ。

すっかりバツが悪くなってしまい、ケータイを拾って
おばちゃん軍団に3回ぐらい「ありがとう」と、寝ぼけまなこでお礼を言った。
さんざんやかましかったが、悪い人たちではないようだった。
ありがとう、見知らぬおばちゃんたち。
もう二度と会うことはないと思うが。

ちなみにこの会話が、2日間のチャリ旅(旅ってほど大げさなものでもないが)で交わした唯一の会話。
俺はホントに、見知らぬ人に話しかけたり、話しかけられたりするのが苦手だ。

2度目の風呂。
特に感想はなし。

上がる。
中途半端に寝たので、当分眠れそうにない。
仕方がないので、ロビーのベンチで
持ってきた本、佐藤多佳子「一瞬の風になれ」の続きを読む。

食い入るように本を読んでいた。
果たして、こんな家でもできるようなことを
わざわざ小樽まで行ってやる必要があるのだろうかと疑問に思ったが
それにしても、この本はおもしろい。
青春だなあ。陸上っていいなあ。
もう、自転車なんて置いていって、走って帰ろうかしら。

夢中で読んでいたのだが、深夜1時に
「消灯でーす」とフロントのおっさんに言われ
「仕方ないなあ、風呂場で続き読もうか」とも一瞬思ったが
さすがに借り物の本で、それをやるのは気が引ける。

そんなわけで、大して眠くもないのに、再び大広間に戻って寝ることにした。

さあ、寝るか。
うげげ、床めちゃくちゃ固いぞ。
よく、さっきはこんなコンクリートみたいな床で眠れたなあ。

んでもって、寒い。
毛布がないのはこたえる。
フロントに行けば、有料で毛布を貸してくれるが
金取られるのが悔しいので、意地でも借りるもんかと思った。

体はめちゃくちゃ疲れてるんだけどなあ。
とにかく痛くて、寒い。
いろいろな体勢をとって、どうしたら快適に眠れるか考慮した結果
できるだけ接地面積が少なくなるように、横向きに寝て
かつ、ぐるりと体を丸めて、外気にできるだけ身をさらさないようにするのが一番だという結論に達した。

それでも、やっぱり眠れる時間は30分が限界だ。
あー、これじゃ眠れんと、室内をうろついていたら、空いているソファーを発見したので
そこで寝ることにした。
短いソファーなので、足を伸ばすことはできないが、この際贅沢は言えん。

6時ごろ、起床。
なんだか全然寝れていないような気もするが、仕方がない。
せっかく泊めてもらったのに、悪口を言うのもなんだけど
24時間営業なんだから、もうちょっと寝る人のことを考えた施設にした方がいいんじゃないか。
あと、深夜料金(1200円)とるんだから、毛布はタダにしてくれ。

もし、貧乏旅行とかでここに泊まろうと考えている人がいたら
寝袋は絶対に持ってきた方がいいということを忠告しておく。

3度目の風呂。
うつらうつら記憶が飛んでいた。
あー、眠い。

なんか文句ばっかり垂れていたような気がするけど
ありがとう「オスパ」。
施設にはいろいろ言いたいことがあるが
お湯自体はとてもいいお湯だったよ。
また、自転車旅行でのっぴきならない状況になったとき、利用すると思う。
今度は寝袋持参で。
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そして入り口のところに停めていたチャリを見て
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ゲッ、俺、またあのつらい道のりをチャリで帰るの?

と現実に引き戻され、ブルーになったのであった。

(最終回 小樽→札幌編につづく)
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by gossy54200 | 2011-01-25 23:08 | MTB | Comments(4)  

Commented by niko niko at 2011-01-26 00:18 x
オスパ泊まったことがあるんです。
その辺のあいているところの床に寝るんですよね。
身体痛くって・・・。
昔、小樽手宮殿の湯の花も、泊まれたんですよ。
Commented by waltz_t at 2011-01-26 07:26
オスパは単なる24時間風呂ではなく、意外に天然温泉なんですよね。そこは評価できるんですが。
そういえば僕は寝袋で寝たんですよ。ゴシさんの記事で「寝袋もってきて良かった!」と力強く思ったことを思い出しました。
Commented by gossy54200 at 2011-01-26 20:09
>niko nikoさん

確かにあの床で寝ると体が痛くなりますね。
風呂はいいのですが、宿泊はちょっと勘弁って感じです。

湯の花が泊まれたのは知りませんでした。
最近は、マンガ喫茶の台頭のためか
安価で泊まれる風呂屋が少なくなってきましたね。
ビッグシップはなくなり、苫小牧いといの湯やえにわの湯が営業時間短縮になり、ちょっと寂しいものを感じます。
Commented by gossy54200 at 2011-01-26 20:12
>コソさん

そういえばあのときのコソさんは、当初の予定では、駅寝のために寝袋持参でしたね。
コソさんとしては、予期せず、夜中に毛無峠を越えたりさんざん目に合ったと思いますが
この温泉に泊まりながら、つい、あの闇夜のサイクリングの記事を思い出しましたよ。

オスパも600円ぐらいで、昼間ぶらっと入るならいい温泉だと思うのですがね・・・。

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