ブロンプトンで行く、伊達ハーフマラソン試走の旅(その1)
どうせだったら、まだ雪の残っている札幌なんかよりも、雪のないところに行こうということで
北海道で一番、春の訪れが早いと言われている伊達に、JR輪行で行くことにします。
ふふふ、雪のないところの自転車、むちゃくちゃ楽しみだぜ。
空は青く、2011年ブロンプトン始動を祝福するかのようないい天気なのであるが
空気はひんやりを通り越して、めっちゃ冷たい。
だいたいマイナス3度ぐらいあったんじゃないだろうか。
しかし、贅沢は言ってられない。
雪が溶けて、自転車に乗れる喜びをかみしめながら進むのだ。
っつーことで、まずは家からキコキコと、2kmぐらい離れたJR琴似駅まで行きます。
トランスフォーム!
でもって、この状態でカバーをかけると列車に自転車を載せて運ぶことができるのです。
カバーは毎度おなじみ秀岳荘さんの「ブロンプトン用スリップカバー」(3000円)
そんでもって、今回もやっぱり伊達までの道のりは
道央圏の普通列車が一日乗り放題の「一日散歩きっぷ」(2200円)を使います。
鈍行列車でのんびり行こうぜ。
6:08発の東室蘭行きに乗ります。
チャリはデッキにくくりつける。
ガラガラだったので、ボックス席を一人で占領し、優雅に読書。
佐藤多佳子「夏から夏へ」
大阪世界陸上から北京五輪までの、4×100mリレーの日本代表選手を描いたノンフィクション。
同氏の小説「一瞬の風になれ」を読んで熱くなった人は、必読の書。
小説家の視点で、トップアスリート達の、主にメンタル面に焦点を当てて書かれているのですが
もはや陸上というものを超越して、陸上というフィルターを通して見る「人生論」だね、これは。
なんつーかねー、「すげえ」という言葉で片付けちゃあいけないんだけど
やっぱり「すげえ」としか言いようがないねえ。
どんな分野でもそうだと思うが、頂点にいる人ほど、ストレスやプレッシャーはより大きく
かつ、その多大な圧力をはねのける、不屈の闘志があるのだなあ。
私も小さなことでウジウジ悩んでいる場合じゃないよ。それをはねのけなきゃ、ホントに。
東室蘭到着。
次の列車まで時間があるので、コンコースでぼーっと線路を見てました。
春の線路を見ていると、この曲を思い浮かべる。
今日のブロンプトン始動にピッタリの曲だと思う。
もったいないほどに 晴れた青い朝日は
真っさらだよ 目覚めないの 泳いでみないの
何にも遅くない 過ぎた日々なんか 波に流して
未来中で一番早い 今日こそがスタートさ
10:05発、長万部行きに乗り換え。
私はブロンプトンを抱え、ロングシートに座っていたわけだが
私とちょっと離れたところには、車窓から、たそがれた表情で海を眺めている
缶ビールを片手にした、ちょっとくたびれた感じの40ぐらいのおっさんが座っていて
そして、私の向かいには、小汚い格好をして、ワンカップをぐびぐびちびりながら
目はうつろに遠くを見ている感じの、60過ぎのじーさんが陣取っていた。
なんとも言えない、ほんのりとした「負け犬」感が漂う空間に身をおきながら
「ああ、旅に出てよかったなあ」と、私はしみじみ思ったのであった。
伊達紋別到着。ワンカップじーさんも、私と一緒に降りた。
いざ、出陣!!
(つづく)
by gossy54200 | 2011-03-27 22:59 | ブロンプトン