8年ぶりにフルマラソンに挑戦した話(その3)

その2

長い戦いになると思っていたフルマラソンも、気がつけば半分を過ぎたわけですね。

折り返し地点を過ぎてから、後続のランナー達とすれ違うわけであるが
みんな必死の形相で、最後の上り坂を登っているのね。
ふっふっふ、私はこれから下りだもんね。
今までさんざん貯めに貯めてきた位置エネルギーを、ここで一気に運動エネルギーに変換するのだ!

話は高度な物理学の話になりつつあるが、簡単に説明するとこういうことである。

物体の質量をm、重力加速度をg、高さをh、速度をvとすると
mgh=1/2mv^2が成立するわけであって
これは高さが高くなれば高くなるほど、速度vは上がっていくということを示すのであって
なんだか、余計わけがわからない話になってしまい
自分でも理解できなくなってきたので、ここでまた物理からマラソンに話題を戻す。

折り返し地点を過ぎたところの給水所から、ついにバナナが出てきます。
うひょー(*∀*)、やっと固形物を口にすることができる。
バナナン バナナン バナナ
と、つい幼稚園時代に歌ったような気がした歌を思い浮かべながら、下り坂を降りていきます。

バナナパワーで、足取りも軽やかと行きたいところであったが
道には小石が目立ち、足がジャリジャリするような感じである。
ちょっと、足裏が石に当たって痛いぞ。

でもって、26km地点ぐらいで、救護班に支えられながら、毛布にくるまっていたランナーがいた。
おいおい、大丈夫か?
私も人の心配をするほどの余裕はないのだが
こういう一般道ではない林間コースだと、救急車が入りにくいのが難点だよなあ。
そのランナーがどうなったのかはわからないが、無事であることを祈る。
(結局、しばらく経ってから、その人は救急車で運ばれたようです)

ひょっとしたら、明日は我が身かも?と恐ろしい気分になりながら
心臓に負担をかけないように、そっと坂道を下る。
ペースはキロ6分ぐらい。
心拍数は160を超えないように。
まずは生きて帰還することが、何よりも大切だ。
欲しがりませんゴールまでは、タイム追求は敵だ。

29km地点。
今まで6kmぐらい、ずっと下りだった道が、一転上りに変わる。
うげげ、まだ、上りあるのかよ。

ここからの光景が凄まじかった。
力尽きたランナー達が、夢遊病者のようにフラフラと坂道を歩いている。
生気が失われたような感じで、抜け殻のように歩いている。
まるで、死刑囚が絞首台に向かって歩いているような光景であり
私の頭の中で、どういうわけか、ずっとドナドナの歌が流れていた。

そして、歩いている人たちが、無言のプレッシャーをかける。
「お前も歩けぇ、歩けばラクになるぞぉ」と。

正直、下り坂に慣れてしまい、上り坂に対応できる足ではなかった。
もう、ももは全然上がらない。
もも裏の筋肉が全く言うことを聞かない。

それでも私は走るしかなかった。
ここで歩いたら全てがパーになると思った。
重い足を引きずりながら
それでもなんとか歩かないで、ゾンビのようにさまよう歩行者を振り切り、上り坂に耐えたのであった。

30km到達、タイムは3時間16分。
この時点で、4時間半切りはないなと思った。
残り12.195kmを、1時間14分で走る体力は残っていない。

目標がなくなると、人間は脆いものだ。
キロ6分ちょっとペースだったのが、一気にキロ6分40秒ぐらいのペースに落ちる。
それでも、8年前の4時間40分は何とか切ろうと
大ブレーキにならないように、ペースを落としながらも一定のペースを心がけた。

あれですね、走るときって足にまず来るというイメージがあるかもしれないけど
私の場合は、最初に肩に来ますね。
全然腕が振れなくなります。
腕を上に上げて伸びをしたりとか、腕をぐるぐる回すとか、いろいろ工夫はしてみるが
2~300mぐらいがきちんと腕を振れる限界ですね。
でもって、腕が振れなくなるから、歩幅が小さくなり
無駄に歩数が増えていって、足にもダメージが与えられるというのが、私のパターンのようです。
肩の強化が課題ですね。
どうやって鍛えればいいかは、わからんが。

30何キロ地点からかは忘れたけど、コースは林道を抜けて、サイクリングロードに入ってきましたね。
この支笏湖からのサイクリングロードは、今まで自転車では何回も走ってきた。
慣れた道で、もう大丈夫だという安心感を感じましたね。

35km地点到達、タイムは3時間50分。
何だかもう、どうでもよくなってきた。
ここまで来ると、前半のようにぺちゃくちゃしゃべっているようなランナーはいない。
みんな孤独だ。
みんな辛そうだ。

みんな何が楽しくて走ってるんだ?


俺も全く人のことは言えないが。

36kmを過ぎたあたりで、8ヶ所目の給水所があった。
ここまで給水所は何ヶ所も見てきたが、この給水所はオアシスのように輝きを放っていた。
この給水所は、サイクリングロードの休憩所に設置されているのであった。

ちょっと、休もうか・・・

そんな悪魔のささやきが、私を支配した。

(つづく)
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by gossy54200 | 2011-06-07 22:24 | ランニング | Comments(2)  

Commented by kwhiro at 2011-06-10 00:10
肩、と腕からまず来るっていうのは自転車でロング走る時の僕のパターンと一緒ですね。二の腕が張ってくると、距離を走るのが辛くなってきます。手放し運転ができると腕をグルグル回したり出来るんでしょうけど。
Commented by gossy54200 at 2011-06-10 23:44
そうなんです。私も自転車でも、まず肩や背中に来ますね。
フォームが悪いからなのかなあとずっと思っていたのですが
ひょっとしたら、根本的な筋力不足が原因かもしれないと思った、今回のマラソンでした。

私も両手放し運転ができないので、肩にズシンと来ると、我慢大会モードになってしまいますね。

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