2011オホーツクサイクリング(その12 最終回)
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2週間に渡って引っ張り続けたオホーツクサイクリングネタも
いよいよ今回を持ってフィナーレを迎えます。
網走駅で、自転車を展開している私を見て
「まだ、コイツは走る気なのか!」
と、周りの人に驚かれたわけであるが
私は皆さんのように「特急オホーツク」を使ってJRで帰ることができるほど裕福ではないので
バスターミナルまで、ひとり自転車を漕いで行かなければならないのです。
さようならJR組。
正直、ちょっと高い金払っても、JRで帰ればよかったと、そのときは思ったよ。
さて、網走の中心街の方に自転車をギコギコ進めていきましょう。
(網走は北海道の町で珍しく、駅前は閑散としていて、少し離れたところに中心街がある)
5分ぐらいで、あっけなくバスターミナルに着いた。
ターミナルには着いたが、まだバスの時間まで1時間以上はあるんだよなあ。
どうしようかなあ。
そうだ!思い出した。
ここ網走には、かつて岩見沢市民をとりこにしたラーメン屋*「味軒」があるではないか!
*味軒・・・私の出身地岩見沢に昔あった人気ラーメン屋。岩見沢の味軒は倒産してなくなってしまったが、そこの親族らしき人が、今もなお網走と滝川で「味軒」の名で店を開いている。滝川の味軒については、私の以前のブログの記事「復活した味軒を訪れる旅」をご参照ください。
滝川の味軒には行ったことがあるが、網走の味軒には行ったことがないのであった。
これはもう行くべし!行くしかない!
網走の味軒は、確か中心街にあるはずだ。
以前、網走の味軒に行ったという岩見沢時代の友人からのメールに、そう書いてあったような気がした。
しかし、相変わらず下調べの甘い私は、詳しい住所とかは特に調べていなかった。
なーに、どうせ網走の中心街なんて、大して大きくない(網走市民の皆さん、ごめんなさい)。
テキトーに探せばなんとか見つかるだろう。
と、思いながらテキトーに探すと、あっけなく味軒は見つかった。
こんなに情報が少ない中で、あっけなく見つけることができるなんて、さすが網走だ。
おー、この黒地にオレンジの看板は、正に岩見沢の味軒と同じだ。
これは期待大だぜ。
ガラガラと戸を開ける。
おばちゃんが一人でやっているようだ。
夕方5時ぐらいという時間もあって、客は私一人だけだった。
カウンター席に座って、メニューを見る。
ここ網走の味軒では「カレーみそラーメン」が一番人気とのことで
古くからの味軒を知る人にとっては、邪道であると思われるかもしれないが
「カレーみそラーメン」を注文した。
何故、メニューで「味噌」が漢字で、「カレーみそ」は平仮名なのかは、深い謎のままであった。
あまり有名でない演歌歌手らしき人のサインが並んでいたが
いくらなんでも、真ん中のサインはあまりにやる気がなさすぎるのではないかと思った。
一体、「深澤嵐」何ものよ?と思ってグーグルで調べてみたら
演歌歌手でもなんでもない、1996年生まれの子役であるということがわかった。
そうかそうか、当時9歳の子じゃあ、このサインでも仕方ないなあ。
こういうのは、タネがわかってしまうと面白くないものだな。
私の中では、40ぐらいの作業着を着ているような、おっさん演歌歌手のイメージがあったのだが。
深澤嵐君の、今後のますますのご発展とご活躍を祈念いたす次第でございます。
ラーメンを待っている間、新聞を読む。
地方欄を見ると、おーおー、デカデカと記事になっているではないか
昨日のオホーツクサイクリング1日目の模様が。
新聞記事によると、最年長91歳の参加者の方は
初日は98km地点でリタイアとのこと(2日目は完走されていました)。
記事の中の「完走はできなかったが、是非来年も挑戦したい」というご本人のお言葉に
ものすごく勇気をもらったような気がした。
なんかね、年取って、昔できたことができなくなると
「あー、もういいよ。やっぱりやらなきゃよかった。来年はもう出ない」
ってなっちゃうもんだと思うんだけど(少なくとも私はそういう風に思っちゃう人だ)
失敗に落胆することなく、いくつになっても挑戦心あふれる91歳の方の闘志に、惜しみない拍手を送りたい。
パチパチパチ。
まだまだ40前のひよっ子である私が、挑戦心を忘れてどうする!
と、ちょっと熱くなったところで、ラーメンがやってきた。
野菜の盛りが、結構すごいことになっている。
滝川の味軒は、チャーシューがやたらでかかったりと
古きよき岩見沢の味軒に、ちょっと今風のアレンジが加えられている感じであったが
網走の味軒は、より岩見沢の味軒を再現したような外観だ。
そうだそうだ、チャーシューがなくて、野菜の盛りが多いのが、岩見沢の味軒だったよな。
スープを一口すする。
ずずず。
うむ、先週行った滝川味軒のカレーラーメンに比べて、みその風味が強いような気がする。
でも、このみその風味とスパイシーなカレー味がマッチしているような感じだ。
このスープにはライスがないとダメでしょう。
「すいませーん!小ライスひとつ」
あー、うまい。そして懐かしい。
味の方も、滝川よりも網走の方が、当時の岩見沢を再現しているような気がする。
そうそう、この野菜の山で、なかなか麺にたどり着けないのが、味軒のラーメンなんだよな。
すっかり感激して、腹も心も満足して、会計を済ませることにした。
私の格好を見て、おばちゃんは
「オホーツクサイクリング走ってきたんですか?雨の中大変だったでしょう」
と、優しく声をかけてくれた。
ああ、なんて、オホーツクの人たちは自転車乗りに好意的なんだ。
ついついうれしくなって
「ええ、そうなんです。雨が降ったけど、初日は天気がよかったし面白かったです。実は私は岩見沢出身で、ここに味軒があるということを聞いて、行ってみました。岩見沢の味軒を思い出す懐かしい味で、おいしかったです。また来ます」
と、興奮気味に一気にまくしたてた。
滝川の味軒のおじさんも、ものすごく腰が低くて丁寧ないい人だったが
網走の味軒のおばちゃんも、人情味あふれる素晴らしい接客だったよ。
ごちそうさまでした。
これからオホーツクサイクリングに参加することがあったら、締めは必ず網走の味軒にしようと思う。
味軒から、再びバスターミナルまで自転車を走らせ
自転車を畳み、ゴミ袋に入れて・・・と書くと自転車がゴミのように思われるので
ゴミ袋で輪行袋を作り、チャリを荷物モードにして、ターミナル内の待合室で、しばしバスを待つことにする。
すると、オホーツクサイクリング組の人に話しかけられた。
年齢は60をちょっと過ぎたぐらいの感じ。
やはり興味はコンパクトに折りたたまれたブロンプトンにあるようで
「輪行がしやすい折りたたみ自転車が欲しい」とのこと。
ブロンは見かけよりも走ることをアピールしたが
その方曰く「変速段数の少なさ」がネックになっているようで
コンパクトさを優先させて、ブロンにするか
走りを優先させて、*GIANTのMR-4にするか悩んでいるとのこと。
うーむ、とりあえずその中間をとって、BD-1にしたらいかがでしょうか?
初老の紳士がよい小径車に巡り会えることを願います。
*GIANT MR-4・・・GIANT社の折りたたみ自転車。24インチと折りたたみ自転車にしては大きなタイヤを採用しているところが特徴。18段変速で、ロードバイクと比べても遜色ない走りが魅力であるが、折りたたんでもあまりコンパクトにならないところが好みの分かれるところ。
札幌行きのバスが乗り場に入ります。
オホーツクサイクリング組は、私とさっきの初老の紳士の二人だけ。
そんでもって、初老の紳士は自転車は宅急便で送ったとのことで
チャリをバスに持ち込んだのは私一人だけ。
斜里から網走までのJRでは、自転車だらけで、まだサイクリングの名残がある車内であったが
バスの中は自転車とは関係のない客ばっかりで
「ああ、いよいよ楽しかった3日間も終わりなのだなあ」と
3日間の夢のような時間が過ぎ去っていくのを、しみじみと感じた。
バスはブロローンと出発した。
ああ、終わりだ。
終わりなんだ。
また、明日から日常に戻るんだ。
ひとりで心細いなあと思った中で、3日間いろいろと気にかけてくださったIさんとSさん。
ブログの中の人から、リアルの付き合いに昇格することができた、おかず汁粉さんとプラプラさとうさん。
雨の中、父と子の絆を感じさせてくれた、KARAさん親子。
小清水の道の駅で再会することができたK副部長。
最後に交流を持つことができたHECCのOさんやYさん。
その他、たくさんの参加者の皆さん。
指導員さんを始めとする、運営スタッフの皆さん。
沿道で、見ず知らずの私たちに温かい声援を送ってくださった皆さん。
普段ひとりで自転車を走らせているときには味わうことのできない
みんなで一緒になってゴールを目指すという喜びを教えてもらいました。
本当に感謝しています。
ありがとうございました。
また、来年以降、オホーツクの地で
いろいろな方に出会えることを、今から心待ちにしています。
そして、最後に・・・
紋別の坂の上で、ドラマのワンシーンのような(?)再会を果たしたMC嬢。
無断でブログでさんざんネタにして
しかも酒乱のようなイメージを与えて、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)m。
たった5分ぐらいの短い時間だったけど
今回の212kmの中での一番の思い出だったよ。
今度は涙ではなく、とびっきりの笑顔で会えるといいね。
また会える日を楽しみにしています。
(このシリーズ終わり)
by gossy54200 | 2011-07-23 02:20 | ブロンプトン