人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ヒルクライマー



SF作家高千穂遥さんの自転車小説。
高千穂さんは自転車乗りでもあるので、ディテールの部分で
「ああ、わかるわかる」とウンウンうなずきながら読むこと多数。
やっぱり、自転車の小説は、実際に自転車に乗っている人が書くと、説得力がググンとUPするな。

このお話、ストーリー云々よりも、登場人物の設定がいいなあ。
いい意味で、どっか頭がイカれているアホばっかりだ。
でもってアホばっかりなのだけど、自転車に乗る人の立場から見ると
「ああ、わかるわかる」と、やはり登場人物に対してウンウンうなずきながら読むこと多数。

自転車が好きな人間はアホになっていくのか。
それとも、アホだから自転車が好きになっていくのか。
その辺の因果関係は不明であるが
愛すべきは「アホな自転車乗り」であったのだ。
「お前も十分アホや」という意見もあろうが、それは私にとって最大級の褒め言葉である。

登場人物が生活のほとんどを犠牲にして、必死になって自転車で坂を登っている様子を読んでいくと
こっちまで
「ああ、私の自転車に対する取り組みは甘かった。明日から心を入れ替えて毎日手稲山に登ろう」
という気持ちに・・・・・・


・・・・・・なんて絶対になるわけはないのであるが
私は私で違った方面で自転車アホになりたい。

そんなことを感じた一冊。

by gossy54200 | 2011-08-25 23:38 | 読書  

<< 北海道マラソン2日前 ブロンプトン夜ポタ >>