2011北海道マラソン(その5)

その1 その2 その3 その4


30km通過時間が約3時間。
制限時間に間に合うためには、残り約12kmを2時間ちょっとで行けばいいのであるが
すでに頭の中は混乱していて、簡単な計算ができなくなってきている。

今、冷静な頭で考えると、1時間で6km進めばいいから、1km10分のペースで大丈夫
「もう歩きながらでもいいんだぞ」と
ものの数秒で計算することができるわけであるが
メダパニの呪文にかかってしまった私は、「あたまがこんらん」して何が何だかわからなくなった。

当初の予定では、30kmからペースを落としてキロ7分を想定していたのだが
「そんなにゆっくりなペースで走ると、収容バスに拾われる。早く行かなきゃ」
と、はるかかなた後方にある収容バスに必要以上に怯えてしまい
30kmを過ぎてもペースを緩めることができなかったのであった。
キロ6分で走る元気があったというよりは、恐怖で仕方なくキロ6分ペースで走らされているって感じ。

この辺りからふくらはぎが痛くなってくる。
下半身が沈み込んでしまって、もも裏やお尻の筋肉が使えなくなってきている。
いかんいかん。
腰高フォームに戻し、できるだけ膝下に負担をかけないように心がける。
そうだ、そうだ、自転車で立ち漕ぎをするイメージだ。

周りを見ると、ゼッケンに「E」や「F」をつけた、私よりも先のグループでスタートした人が目立ってきた。
最後尾スタートの「H」をつけたゼッケンの人はまばらになってきている。
Hグループからの下克上だ。
まだまだゴールは先なのであるが、よくHグループスタートでここまで頑張ってきたなあ、自分。
逆に「H」をつけたゼッケンを見ると、「よし、仲間だ(・∀・)」と思って心強くなる。
ここまで来たんだ。どうせなら、「E」「F」グループの人たちと一緒にゴールしようぜ。

32kmを過ぎて、長ーい、長ーい、とてつもなく長かった新川通の直線とはおさらばです。
普段練習で走っているコースという安心感はあるのだが
せいぜい20kmぐらいの距離でしか練習してこなかった私にとって、疲労度が普段と違いすぎますな。

15時を過ぎてちょっと気温が下がってきたのかな。
折り返し地点で感じたような、焼け付くような暑さは感じられなくなった。
とは言え、沿道の民家からホースで水をかけてくださった方には、感謝、感謝です。
あー、つめてー、生き返るわぁ~。
こうした親切心に応えるべく、「意地でも完走してやろう!」とモチベーションが上がってきますね。

再び新琴似一番通に入って、34kmから足が動かなくなってきた。
この辺が限界なのかなあ。

35km通過、タイムは3時間28分41秒(30~35kmのラップタイムは29分57秒)
この時点でようやく

「よし、もう完走は間違いない!」


と、ホッとしたのであった。

いやあ、まさか35kmまでキロ6分ペースで行けるとは思わなかったわ。

さあ、もう一生懸命走るのは終わり。
こっからは、ゆっくり走って、最後の7kmを楽しもう。

ふん、もうやる気ないもんね。
こっからゆっくり走るもんね、もうキロ8分でいいもんねと、戦闘力が落ちてしまったところで

「ごしさーん」

の声が

ありゃ、おかず汁粉さんではありませんか!
知ってる人が見ていたら、チンタラ走っているわけにはいかんのう。
もっとシャキっとせねば。

心を入れ替え、シャキっとすべく、背筋を伸ばして、ピッチを上げて走ったのであったが
25km地点から「水をがぶ飲みした+体に水をかけまくって腹が冷えた」効果により
気が狂うほどトイレに行きたくなった。
別にコース沿線にある、近くのコンビニに飛び込むという手もあるのであろうが
正しいランナーを目指す私としては、所定の決められたトイレで用を済ませたいものだ。

36km地点手前で、トイレの案内が。
おお、ありがたい。
我々ランナーのために、トイレを提供してくださったガソリンスタンドの店員に3回ぐらい頭を下げ
スタンド内のトイレに向かった。

トイレの前で足を止めた。

ビキビキビキビキビキ

ああ、わかる。足を止めたことによって、足の筋肉が一気に固くなっていくことが。
これ、足動かんよ。
膝曲げたら、そのまま肉離れになるんじゃないかと思うぐらい、もう足は動かない。

足は動かないが、出すものは出さなきゃな。
あー、スッキリした。
ありがとう、トイレを提供してくれたガソリンスタンド。
これからはできるだけここでガソリンを入れるようにするよ。

ガソリンスタンドを出る。

もぁ~~~

なんだ?この気が狂うような暑さは。
俺はこんな暑さの中で、今まで35km以上も走ってきたのか?
頭おかしいんじゃないか?

暑いし、足は動かないし、地味にこのガソリンスタンドから家は近いしで、もう帰りたくなってきた。
歩道から、走ってくるランナーの群れをボーッと眺める。

多分、ボーッとしていたのは10秒ぐらいだったと思うが
自分の中では1分ぐらいボーッとしていたような気がした。

ああ、みんな走っているよ。



バカだなあ。

ホントにバカだ。

こんな暑い日は、冷房の効いた部屋のなかでヌクヌクしていればいいのに。

よくやるよなあ。

よくやるよ。

・・・・・・・・・。


でも・・・・・・。

そんなバカなランナーに俺は憧れているんだよ。

俺もバカになりたい!

うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!



もう、ここまで来たら、足が動かんなんて言ってられんのよ。
42.195kmバカになりきるしかないのよ。
歩道でストレッチをして、ちょっと走れるかなあという状態になったことを確認してコースに戻る。
トイレロスは3分ぐらい。

走り出します。
もう、ほとんど元気はありません。
ストライドは全然伸びません。
ただ、ピッチだけはそんなに落ちていなかったようです。

元気を失いかけたところで、今度は沿道にゆげ氏
おいおい、見に来るなんて言ってなかったじゃないかよ。
何だよチキショー、元気が出てくるじゃないかよ。

心が折れかけている中、おかず汁粉さんも、ゆげ氏も余計なところで現れやがって・・・・・・

めちゃくちゃうれしいじゃねえかよ。


もうダメだと思ったところで、力を与えてくれたおかず汁粉さん、ゆげ氏
本当にありがとう。
こっからもう一回新川通に戻って、最後の6km、石にかじりついても頑張るよ。
ああ、頑張るしかないのさ。

(つづく)
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by gossy54200 | 2011-09-03 22:53 | ランニング | Comments(4)  

Commented by おかず汁粉 at 2011-09-03 23:59 x
いい笑顔で走っていったので、私から見れば余程のことがない限りしっかり完走するであろう手応えを感じていました。でも大変だったのですね。確かにあの暑さは沿道にいても病気になりそうでした(なので私は日蔭に移っての応援でしたが)。
36km 地点のGSといえば・・・あそこですね。
あのGSの店長さん、非常に気が利く素敵な方なのです。
私も車のトラブルの際にはお世話になっていました。
Commented by ゆげ@softtail.log at 2011-09-04 22:55 x
ただ人が走っている姿を観ているだけなのに、H8279のゼッケンつけた早送りゾンビ(笑)を見つけた瞬間に何故か血が沸騰したよ。
なんかね、すげー熱いものをもらったわ。
Commented by gossy54200 at 2011-09-04 23:36
>おかず汁粉さん

あの笑顔は完全に作り笑顔だったような気がします。
来年以降は、35km過ぎても楽しく余裕を持って走れるようになりたいですね。

36km地点のGS。
今まで利用したことはないのですが、そうですか店長さんは素敵な方ですか。
車のトラブルがあったときは相談してみることにします。
Commented by gossy54200 at 2011-09-04 23:40
>ゆげ氏

サプライズ応援ありがとう!
あそこはトイレタイムで緊張感が切れちゃったところだからなあ。
正直、あのまま家まで帰りたかったw

もうほとんど筋肉が言うことを聞いてくれなくて、ストライドがまるで伸ばせなかったから
ピッチだけ上げたちょこまかした動きで、早送りゾンビ(笑)に見えたのだな。

24時間テレビといい、どうして人が走っているのを見るだけで、熱いものがこみあげてくるのだろうかね。

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