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2015ビホロ100kmデュアスロン参加記(その4)

その1 その2 その3


自転車の部が終わって、第二ランへと移ります。
この時点で100kmのうちの90kmが終わったから、残り10%か。楽勝だなあ。
などと、ど阿呆な計算をしておりました。
自転車とランの違いは、全く考慮に入れてなかったわけですね。

自転車から降りて、所定の位置に自転車を置き、スポーツようかん、アミノバイタルの類似品、スポーツドリンクを補給。
ほんでもって、第二ランのスタート地点に給水所もあったので、麦茶もガブリ。
よし、これで準備万端だ!
さあ、残り10km駆け抜けるぞ!
と、走り出すも、どうも頭に違和感が……。


あー、ヘルメット脱ぐの忘れた!


これは大いなるミステイク。
ヘルメット被ったまま走り出そうとした阿呆は私ぐらいだったであろう。
と言うか、誰か「ヘルメット被ったままですよ」って教えてくれてもいいじゃないか。

再び自転車の位置まで走り、ヘルメットを脱いで、自転車のそばに置きます。
そんでもって、サイクルグローブもつけっ放しだったから、これも脱がねば。
1分ぐらいロスしたかねえ。
自転車から第二ランのトランジットは2分30秒ぐらいかかりましたよ。
このタイムは、第二ランのタイムに加算されます。


改めて、第二ランのスタートを切りましょう。
テケテケと。
あれ?
お。
お。


脚が動かん。


この感覚は、言葉では説明しがたい。
フルマラソンで30km過ぎたときと似たような気もするが、あれとは違う。
脚が痛いとか、そういうのはないんだよな。

あえて言葉で説明すると、フルマラソンの30km以降は純粋に脚が疲れたという感覚なのだが、ビホロの第二ランは


脚が疲れたどうのという以前に、脚が自分のものではない。



そうなのだ。股関節から下の部分の神経がちょん切れたような感じ。
私の下半身は、まるで別の人格だったのだ。
こういう風に書くと、なんかいやらしく聞こえるな。

とりあえず最初の1kmは下り坂だったので、惰性でのっしのっしと重力の力を借りながら、前へと進んで行きます。

しかし、坂が終わって、直線に入ると、ピタッとスローモーションのように脚が止まる。
もう、すでに歩いている人も続出って感じで、第二ランはサバイバルレースの様相を呈してきました。
日陰の部分がなくて暑いし、こんなのであと9kmも走るのかよ。

それでも走るしか選択肢はないわけで、私の性格上、一度歩いたら、間違いなく精神的にキレてしまうので、とにかく歩かないことだけを考えました。
脚が思うように動かん割には、1キロ5分30~40秒ぐらいで走れていたのは不思議。
3km過ぎた辺りから、筋肉が目覚めたのか、ようやく自分の脚で走っているような感覚に戻りました。
それでも、フルマラソンで35km地点を過ぎたぐらいの疲労感だったがな。

ガーミンで4.5kmを示した辺りで、「残り5km」の表示。
第二ランも10kmよりちょっと短めに設定されてるのかね。
ここで、第一ラン、自転車で見かけたアイアンマンジャージの方に抜かされます。

給水所で水をゲットしたと共に、エアーサロンパスが置かれていた。
これはありがたい。
攣りそうになっていた左のふくらはぎを中心に、ドバーッとかけます。

おー、生き返る、生き返る。
と、気持ちでは思っていたのだが、ペースは全く上がりませんね。
アイアンマンジャージの方との距離が徐々に開いていきます。

それでも、どーにかこーにか、アイアンマンジャージの方の背中が見える程度の距離は保ちます。
ほんでもって、7km辺りの給水で、アイアンマンジャージの方が止まって、ゆっくりと給水をしていたので、ここがチャンスと、私は給水所を無視して抜いていきますよ。

8km辺りから、沿道の応援が多くなり、たくさんの方から力をもらいます。
中には参加者名簿とゼッケンをチェックしながら、「○○さん、頑張れ!」と名前を叫びながら応援してくださる方もいて、いいですな、こういうの。
どうして、見ず知らずの我々を、一生懸命応援してくださるのだろうか。
感謝の気持ちをこめて、残り2km走らせていただきます。

さて、ここで大事なことを、もう一度確認しておこう。

ゴールの陸上競技場は丘の上にあります。

う、うおー、もう、だ、だ、だめだべや。
最後にこんな上り坂を用意するなんて、どういうことやねん。
感謝の気持ちは吹き飛び、心底、コースを決めた人や、陸上競技場建設に携わった人を呪いたくなった。
もっと平らなとこに競技場作らんかいと。
責任者出てこい!

坂で再びアイアンマンジャージの方に抜かされ、みるみる後姿が小さくなります。
第一ラン、自転車では僅差で先行したのだが、第二ランの最後で差されてしまいましたな。
さすが、アイアンマンに参加されるような方は、レースの戦い方を知っている。
坂の部分は1キロ6分overペースでしたわ。

どーにかこーにか、陸上競技場にたどり着き、トラックを走りますよ。
トラックに入ってからも2人ぐらいに抜かされ、もうワシはよぼよぼの老人状態だわ。

それでも最後まであきらめませんよ。
何をあきらめないのかは、自分でもよくわからないが、頭の中で、「あーなたーのー ゆーめをー あーきらーめーなーいでー」と岡村孝子の歌が流れています。
多分、私の人生の夢はデュアスロンの完走ではないと思うのだが。



順位とかそんなことは、どうでもよく、どうにか前にいる人たちの背中に近づきたい。
その一心で、最後の100m、全力で走ります。

そして、ゴール!

2015ビホロ100kmデュアスロン参加記(その4)_a0156548_21142859.jpg


ガーミンの計測では、9.8kmと、ちょっと短かったが、これはもう15kmぐらいの価値がある第二ランだったでしょう。

第二ランタイム 57:59(68位)

総合タイム 4:37:38(総合順位 92位/201人中 40代男子の部 33位/63人中)


結局、第一ランより8分ぐらいかかった第二ランの順位が一番よかったわけだから、いかにビホロの第二ランが過酷かがわかる。
ぶっちゃけ、第二ランは、テレビでやってるクイズ番組でいうところの「最後の問題は点数が3倍になります」的なものであると思った。
今までの90kmは何だったんだ?というぐらい、最後の10kmが重くのしかかったのであったが、それだけにゴールではフルマラソン以上に「全てを出し切った」感があるのだった。

つづく

by gossy54200 | 2015-08-19 21:34 | デュアスロン  

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