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孤独のスイミング

北海道ではマラソン・自転車シーズンは終焉を迎え、やることがなくなったので、最近水泳にハマり出していている。
プールに行くたびに、ちっとも泳げなくて、「やっぱ俺に水泳は向かないなあ。もうやめよう」とプールから出たときは思うのであるが、家に帰ってから、「ひょっとしたら、ここを直せばうまくいくんじゃないか?」と考え直し、「よし、これでうまく泳げるだろう」と、またプールに行く。
しかし、やっぱりちっとも泳げず、「えーい、やめだ。やめ。今度こそ水泳完全引退」と不退転の決意で帰宅するのであるが、教本やDVDを見ると、「やっぱり、泳げるようになるんじゃないか」と無駄な抵抗を試み、またプールに行って撃沈する日々が続いているのだが、どういうわけかやめられない。
週2回も行けば十分だろうと、通い始めのころは思っていたのに、気がつけば今週は3日連続でプールに行っている。
これは一体どういうことなんだ?

まあ、自分で言うのも何ですが、私のクロールはひどいレベルなんてものじゃあございません。
25mで1分かかるという恐ろしく遅いレベルで、とても人様のいるレーンで泳ごうなどとは決して思いません。
そういう意味では、安くてすいている釧路町プールの存在は、非常にありがたいのであった。

ちなみに、今年の4月、泳げるようになりたいと、某ジムの水泳教室に顔を出したのであるが、バタ足が全く進まず(むしろ後ろに進むレベル)、他の受講生と比べても際立って悲惨な状態であり、運動神経ゼロで体育の時間が死ぬほど苦痛だった小学校時代のトラウマがよみがえってきて、わずか1ヶ月で水泳教室からは撤退した。
「足首をムチのようにやわらかくしならせて」とコーチは言うが、こっちはそれができないから困っているわけで、そんなアドバイスは鋼の足首の持ち主の私にはちっとも役に立たないのであった。

クロールの推進力は腕8:脚2の割合ですよ。
バタ足なんかマスターしなくたって、別にいいじゃないですか。
えーい、見てろ!ワシはバタ足なんかマスターしなくても、クロールを泳げるようになってやるぞ!

などと思って、10月からプール通いを開始したわけであるが、ちっとも進歩しない。
行くたびに1kmぐらい泳いでいるのだが、いくら量をこなしたところで、根本的なことを見直さないとちっとも進歩しないだろうということで、家に大量にある水泳教本やDVDやネット情報を見ながら、色々と研究をした。

研究をした結果、以下の2つを基本軸にしてやっていくのがいいんじゃないかと思った。
それ以外の教材はゴミであると判断したのであった。

もっとカンタン・クロール



うつくしいクロール

酒井 均 / 株式会社ローヤル企画



「もっとカンタンクロール」のDVDは10回ぐらい見たような気がする。
ただ、DVDを通して見るのは時間がかかるので、ちょちょっと要点だけ確認したいときは、補完的に「うつくしいクロール」を参照したりしている。

教材を参考にした結果、どうなったか?
ちっとも上手に泳げるようにならないのである。
ふざけてはいけない。
一体、何のための教材なのか?

しかし、ここで胸に手を当てて考えてみよう。
本当に私は教材の通りに取り組んでいるのか?
こんなのはバカらしいと、「ドリル」の部分は無視をしていないか?

そうなのだ、TIスイムで一番大事なのは「ドリル練習」なのである。

心を入れかえ、「伏し浮き」とかの地味でつまらないドリルを30分ぐらい練習した。
その結果、色々なことがわかってきた。

1.脱力が足りない。

体が緊張して縮こまっていると、沈みやすく、進みにくい。
「水と戦うぞ」と身構えることなく、「お水さん、どうか私と仲良くしてください」と謙虚な気持ちで水に身を任せることが肝要なのだろう。
しかし、「脱力しなきゃ」と思うと、それはそれでまた力を抜くための力が入ってしまうので、一瞬思いっきり緊張させてから、ふっとゆるめるといいのかもしれない。

2.ローリングで軸がぶれまくる。

クロールは体をひねらせる「ローリング」によって推進力が生まれるということだが、どうも体をひねる度に、左に曲がり、右に曲がりで、ちっとも真っ直ぐに進んでくれない。
結局のところ頭の位置が固定していないから、ぶれるのだろう。
自転車のダンシングでも、上手な人は車体は左右に大きく揺らしながらも、頭は1mmも動かずに、真っ直ぐ自転車を走らせているのである。
(グランフォンド摩周で見た、堂城さんの頭が動かないダンシングは本当に感動した。あれは動画に撮っておきたかった)
でもって、頭が左右だけではなく、上下にもぶれるものだから、必要以上に頭が沈みすぎ、息継ぎがやりにくいなんてものじゃない。
これだけ上下左右にぶれまくりだと、ストリームラインどころではなく、前への推進力など得られないのである。

3.入水位置が外過ぎの手前過ぎ。

DVD「もっとカンタンクロール」によると、入水する手の形は次のようにするのがいいらしい。
1) 前腕と中指を直線にして、進行方向と平行にする。
2) 前腕と上腕の挟む角度を直角にする。
3) 前腕と水面のはさむ角度を45度にする。

そんなわけで、私は下図ような形で入水していた。

孤独のスイミング_a0156548_21522664.jpg


すると一体どうなるか?
腕を真っ直ぐ伸ばしているつもりでも、実は斜めに腕を伸ばす形になっていたのである。

孤独のスイミング_a0156548_21495981.jpg


真っ直ぐ進むためには、以下のように腕を伸ばす必要があったのだった。

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そうすると、より遠く、前へと腕を伸ばすことができ、真っ直ぐ進むようになったのである。

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これだと、入水前の段階で、体の前の方に腕が伸びているので、より「前のめり感」が増し、脚も沈みにくくなり、一石二鳥どころが、四鳥ぐらいの効果があったのである。


そんなわけで、ドリル練習での「気づき」に基づき、25m泳いでみた。

おお、普段よりもスイスイ進むではないか!
相変わらず、頭が動いたり、力が入ったりで不安定なところがあるが、それでもかなりマシになったと言うものよ。

で、気になるタイムは…。

60秒から45秒になりました。

そんなわけで、地道なドリル練習の成果により、私のクロールはほんのちょっと進歩した。
とんでもなく恐ろしいぐらいに遅いから、超遅いぐらいには進歩したような気がします。

とりあえず、25mを30秒で泳げるようになるまでは、ドリル中心で、地道な努力を続けていくことにします。
ごくまれに感じる「ひとかきでギュイーンと進む」感覚が楽しくて、下手ながらもプールに通っているのかもしれません。

ごきげんよう。

by gossy54200 | 2015-11-19 22:14 | 水泳  

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