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苫小牧~日高~新ひだか(その2)

その1のつづき

この日の日高地方の最高気温は5度ぐらいと寒かった。
こういう日に自転車に乗ると、
体幹部はアホみたいに暑いのに、手先足先はちぎれそうに凍えるというか痛くなる。
今回は、手袋2枚重ね、靴下はスキー用の厚手のものと寒さ対策はしていたので
幾分はマシなのであるが、やっぱり寒いものは寒いのですわ。

吐く息が白くなりながらも日高町突入。
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日高町とは言っても、ここは平成の大合併で、
内陸部の日高町と海沿いの門別町が飛び地で合併したというところであり、
どうも日高町と言われてもピンと来ない。
今いるところは、旧門別町の領域。

油断している看板発見。合併してから4年も経っているわけだし、いい加減変えたらどうだ?
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門別競馬場。
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かつては札幌、旭川、帯広、函館、岩見沢と各地でやっていた道営競馬も
2010年からはここでしかやらないことになった。
「ああ、道営競馬もすっかり寂れたことよ」
という感慨はまったくなく、看板の隣の黒い物体がなんなのかということが大いに気になった。
ばんえい競馬のソリかなあとも思ったが、ここではばんえい競馬はやってないし。

「う~ん、これはなんだろう」と一瞬考えたが、知らなくても特に支障はないので、先に進むことにした。

馬のトレーニングセンター。
ゲートがたくさんあって、いかにもそれっぽい雰囲気だ。
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苫小牧から37kmで、新ひだかまで37kmとちょうど中間地点である。
実はここで雨がポツポツ降ってきて、帰りたくなった。
イヤになったらすぐにJRで帰れるところが、この旅スタイルのいいところだ。
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しかし、雨はさほど本降りにはならなかったし、
JRの駅を探すのもめんどくさいので、えいやっと進んでいくことにした。
冷静に考えてみると駅を探すより、新ひだかまで行く方がめんどくさいような気がするのだが、
私のめんどくさい感は世間一般の人と異なるのであった。

門別本町を過ぎてやっと海が見えてきた。
今写真を見て気づいたが、オムライスの看板がいい味を出しているような気がする。
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国道235号線はずっと海沿いを走るというイメージだったのだが、
ここまで40kmぐらい海を見ることができず、苦労した分だけ海を見れた喜びもひとしおであると
この日記を書いている今となっては思えるかもしれないが、このときはそんな余裕はなかった。

結構な坂を登っていると、ちょうどてっぺんの辺りに灯台があった。
なんとなく面白そうなので寄り道してみることにした。
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灯台から太平洋を見下ろす。
手前に見えるのは日高本線の線路。
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実際に写真にしてみると大したことのない景色なのであるが、
こういう人のいない、観光ガイドにも載っていないところで、ちょっといい景色を見ると得をした気分になる。
そーだなあ、私の中で言えば北広島の竹葉公園レベルの感覚だろうか。
車でドライブしていると、あっと言う間に通り過ぎて気づかないところでも注目できるところが
自転車旅行の醍醐味なのではないかと思う。

5分ぐらい何も考えず、そこでボーっとした。
「今日はこれを見るために俺はここまで来たのかもしれない」
とほんの一瞬思ったが、それは単なる錯覚であり、ここに来ることは恐らく二度とないだろうし、
よしんば来たとしても、この風景に感じることは何もないであろう。
ちょっと苦労して脳内麻薬が出た状態で、思いがけないところで、意外なものに出会うことが大事なのだ。
ここに何があるかを知ってしまった状態で行くと、もうだめなのである。

レトロな看板。
そういえばパナソニックって昔ナショナルだったんだな。
流し台という表現にもなんとなくレトロなものを感じる。
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新冠町突入。
ここからは登坂車線のある結構な坂なので、自転車は押して歩く。
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んでもってしばらくすたこら進んで、新冠の市街に入り、道の駅発見。
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ここにはレ・コード館という施設がある。新冠とレコードの結びつきはよくわからない。
せっかくだから館内を見てやろうと思ったが、500円取られるのでやめた。
別にレコードには大して興味がないのでいい。
どうでもいい灯台には心を奪われるが、こういう施設には心を動かされないのである。

1998年秋の天皇賞を制したオフサイドトラップ。
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ちょうどこの頃は私が競馬に凝っていた頃で、オフサイドトラップの勝利よりも、
ぶっちぎりで先頭を走っていたサイレンススズカに故障が発生して、
そのまま安楽死になった悲しみの方が大きいが、競馬に興味のない人にはどうでもいい話だ。

今回の目的地、レ・コードの湯は国道を外れたところから1kmぐらいのところにあります。
しかし、その1kmが延々と上り坂であった。うげぇ。
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自転車を押しながらひたすら歩き、温泉に到着。
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駐輪場はあるにはあるのであったが、
こんなところに自転車で来るバカはいないだろうと、完全に自転車を無視した差別的な標識だった。
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悔しいので、柱に自転車をくくりつけて、自転車ここに健在なり!と
自分でも悲しくなるぐらいの抵抗を試みたのであった。

とにもかくにも、ここまで70kmぐらい自転車を漕いで、へとへとになったので
温泉に対する期待は大いに高まったのであった。

(つづく)

by gossy54200 | 2010-04-19 18:36 | ブロンプトン  

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