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東南アジア四次元日記

第3回酒飲み書店員大賞受賞と、名誉なのかなんなのかよくわからん賞をもらった本。
著者は、亜空間的な四次元文体を身上とする、私の大好きな宮田珠己である。

ずーっと読みたい本だったが、すでに絶版になっていて
「世の中の出版社は私のニーズがわかっていない!」と憤慨したところで、華麗に復刊された。
復刊されたのはされたで、素直にうれしいのであるが
知る人ぞ知る的なマイナーなポジションであった私の宮田氏が、
どんどんメジャーになっていくようで、それはそれでうら寂しいものを感じる。

さて、東南アジア。
現在、私の知人が東南アジアひとり旅を敢行しているので、
その様子を重ね合わせながら読んでみた。

感想を一言で言うと
「こんな危険なとこ行きたくないぞ」
である。

まずは、ゲリラである。
バスに乗っていたら、ゲリラに襲われる可能性があるなんて、日本国では考えられない。
しかし、そんな危険なところを当時の宮田青年は大胆にも陸路で旅したのであった。
(最後の方は飛行機も使ったが)

おいおい、何でこんな危険なところ陸路で行こうとするんだよ!
飛行機使え!飛行機!
志村、後ろ!後ろ!
と、非常にスリリングでサスペンスティックな展開が待っているかといえば、そんなことは全くなく。
各国で見た、変なものを変な文章で面白おかしく書いている。
ただそれだけの本であった。

特にタイのワット・ファイロンウアはめっちゃ面白いぞ。
さっき登場させた私の知人の現在東南アジアをかけめぐる旅人よ(以下、面倒なのでMさんとします)
ここは是非行った方がいい!というか行かないと一生後悔するぞ!
とメッセージを残したいところであったが、
Mさんはすでにタイを旅立ち、ラオスに向かっているようでご愁傷様でした。

個人的にこれはシャレにならんと思ったのは、宮田氏が荷台のないトラックの胴体部分に乗って、
猛スピードの中、自分が座っている鉄骨を滑らないように必死につかんで耐えている様子であった。
手を滑らせたら死ぬぞという状況から、私には東南アジアは向いていないと判断し
ひっそりと日本国で生きる決心を固めたのであった。

Mさんがそのようなトラックに乗らないことを祈りつつ、今回の日記を終わる。


by gossy54200 | 2010-08-26 21:42 | 読書  

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