今まで食べた中で一番まずいラーメン屋(その2)
これはとんでもないところに入ってしまったと思った。
ふと壁を見る。
客のお店に対する寄せ書きが貼ってあった。
その中で
すすきのラーメン横丁よりもうまい
なんて意見もあって、ひょっとしたら、これはもしかすると、もしかするかもしれないと、わずかな希望を持ってラーメンを待った。
ラーメンはやってきた。
正直、ここから先の記憶はあまりない。
量はどのくらいだったとか、具は何が使われていたとか、そういったことはきれいさっぱり忘れている。
いや、ひょっとしたら、最初から「これは覚えてはいけない」と、我が潜在意識が脳みそに命令していたのかもしれない。
自分で言うのも何だが、私の記憶力はかなりいい方であると思う。
いつ、どこで、何を食って、どんな味だったかということは大体覚えているものだが、どういうわけかこのときは一過性の記憶喪失になったようだ。
しかし、このことだけは痛烈に覚えている。
マズイ、ひたすらマズイ、マズイったらマズイ。
スープの味付けが薄いとか、麺がちょっと柔らかすぎるとか、もはや、そう言った次元の問題ではない。
とにかく「マズイ」以外に形容する言葉がない。
これはラーメンとしてじゃなくて、食い物としてダメだろう!
私はあまり味にうるさい方ではなく、友人が「マズイマズイ」言ってるものを、「え、これうまいじゃん」と思うぐらい、味に対するストライクゾーンは広かったのであるが、さすがにこれは無理だった。
オバQに出てくる小池さんクラスにラーメンが大好きで「ラーメンは必ずスープまで完食する」とことをポリシーにしていた奴も残したぐらいの破壊力だった。
私の記憶に間違いがなければ、一緒のメンバーで完食した人は誰もいなかったはずだ。
これだったらチキンラーメンにお湯をかけた方がよっぽどうまいと思った。
これがラーメン横丁よりうまいと書いた人は、きっとラーメン横丁で残飯でも出されたのだろう。
いや、でもこれなら、残飯の方がまだうまいんじゃないのか。
隣の有名店から、「ウチの売上の20%はお前にやるから、ウチの引き立て役としてわざとマズイラーメンを作ってくれ」と命令されているんじゃないかとすら思った。
これ、絶対に本業は別で、趣味としてラーメン屋やってるでしょう。
ごちそうさまでした。
勘定を払う。
定価がいくらかは忘れたが、このときのオヤジ
「こんなにたくさん来てくれたから、一人250円でいいよ」
実はオヤジいい奴なんじゃないか。
いくら20年以上前でも、ラーメン一杯で250円は破格の値段だ。
思わぬ割引サービスに、気分よく我々は店を出た……。
なんてわけねーだろ!!
チキンラーメン以下の味で、チキンラーメンの2倍以上の金取るなんて、どーゆー神経しとるんじゃ!
あれから20年以上。
今でもそのラーメン屋に行った仲間たちと会うときは、いかにこのラーメンがまずかったかという話題になる。
まさに「同じ釜の飯を食った仲間」との絆はぐっと深まっていったのだった。
我々の友情の絆を深めてくれたそのラーメン屋に幸あれ!
……と言いたいところであったが、そのラーメン屋とうの昔に誰にも知られずにひっそりと閉店していたのであった。
そんな青春の思い出が詰まったラーメン屋。
(おわり)
by gossy54200 | 2013-02-03 21:14 | 日記 | Comments(4)
それにしても250円とは…(そしてその価値すらない味とは…)
「モッツァレラチーズ・・・」が一番マズいラーメンだと思ってました(よく読め自分)
不思議とまずいモノって「これ本当に不味かったっけ?」と思わずまた試しちゃったりするのですが、このラーメンは別格な感じですね。。。(怖)
岩見沢には「かまだ屋」という激安のそば屋があります。
ここのラーメンは当時の値段で恐らく250円ぐらいだったと思われます(現在は330円)。
言うまでもなく、味は文句なくかまだ屋の方が上です。
いくら250円でも、これならかまだ屋にみんな行っちゃうよなということで、値段でも勝負できないお店なのでありました。
「岩見沢でラーメン食うならどこがいい?」
と、友人に聞かれたので、某有名店を教えましたが、激混みのために、何を勘違いしたか隣のラーメン屋に入ってしまった猛者がいました。
ええ、もちろん、彼は「二度と行くか」と申しておりました。
ちなみに、当時のメンバーの中で、もう一度試したというツワモノもいましたが、やはり「本当にマズかった」とのことです。