俺チャレ2018~ああ歌登(その4)

その0 その1 その2 その3

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さて、稚内と歌登への分かれ道。
最初の計画では、そのまま国道238号線を真っ直ぐ行って、宗谷岬へ行っちゃえ!行っちゃえ!という計画だった。
しかし、宗谷岬のある稚内の天気予報は雨ということで、出発3時間前に、歌登→音威子府というルートを突発的に思いついた。
歌登→音威子府は車でも通ったことのない道で、どんな道なのかはさっぱりわからない。
一方、枝幸→浜頓別と続くオホーツクラインは、車で通ったことがあり、大体どんな道か見当がついている。
峠らしい峠もなく、風向きさえ悪くなければ、さほどサイクリングの難易度は高くない。
とは言え、稚内はこっからまだ120km以上先にあるわけで、すげー遠い。
その点音威子府ならこっから約60kmと、3時間ぐらいで行ける距離だ。

そんなわけで、遠くて雨が降りそうで知っているルートと、近くて雨の心配がなく知らないルートを天秤にかけた結果、圧倒的に「知らない道を行け」という好奇心の方が勝り、ここは思い切って左に曲がることにしたのであった。
決して、疲れているから近くて楽な道を選んだわけではない。
知らない道を進みたいという好奇心の結果だと言うことを理解して欲しい。
体力的には宗谷岬なんて余裕も余裕なんだが、雨には勝てないからね。
いやー残念だ残念だ。

などと、頭の中で思いっ切り言い訳したところで、英気を養うべく、コンビニで休憩タイムを取りましょう。

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ちょうど北海道のサイクリストの味方「セイコーマート」があったので、ここで燃料補給をしておこう。
ところが、このセイコーマートにはすでに自転車旅行の先客がいるではないか!
(わかりにくいかもしれませんが、写真の右の方にリアバッグのあるロードバイクが存在しております)

ここで私は迷った。
こんな田舎のコンビニで自転車乗りが二人かぶるのはよくないんじゃないだろうか。
私はひとりになりたくて自転車に乗っているわけであって、別にサイクリストとの交流とかそういうめんどくさいものは全く求めていない。
変に先客のサイクリストに話しかけられたら、どう答えればいいんだろうか。
なんか「いやー、宗谷岬行きたかったんだけど、雨予報なんで、歌登通って音威子府行くんだよね」なんて、自分に負けたような言い訳がましい会話をするのがたまらなく嫌だったのである。

いやー、自分で言うのもなんですが、コミュ障で自意識過剰の人間ってめんどくさいですね。
ふつーに、何事もないようにコンビニ入ればいいのにね。
どーせ、99%の割合で話しかけられることなんてないだろうから。
何でたかがコンビニ休憩で迷わなければならんのかと。


ここで手持ちの補給食をチェックした。
どら焼き一個に、ボトル半分の水、ナトリウム補給のための塩あめ10個ぐらい。

でもって、近くの看板をチェックすると

歌登グリーンパークホテルまで18km

という表示があった。

うむ、18kmでまた歌登の街の中か。
このくらいの距離なら、どら焼きのエネルギーで十分持つだろう。
事前に「ツーリングマップル」で予習したところ、確か歌登にはセイコーマートがあるので、ここで補給はできる。
と、他人を避けたい余りに、目の前のコンビニをスルーして、どら焼きをむしゃむしゃ食べて、歌登の道へと進んだわけであった。

さようなら、枝幸町乙忠部のセイコーマートにいたサイクリスト。
私は決してあなたのことが嫌いなわけではなかったのですが、のっぴきならない事情で避けざるを得なかったことを理解していただきたかったです。


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さて、国道238号線に別れを告げて、道道1023号線へと進み、西へと進路を取ります。
ここでとんでもない事態になってしまいました。

今までの強い横風が、全て向かい風となってぶつかってまいりました。

ぐぐ、これはしんどい、しんどすぎるぞ。
しかも道は山の中を通るルートであり、緩やかだがずっと上りが続いている。
時速15kmが精一杯です。
この道は失敗だ。
大失敗だった。

これなら国道238号線で横風を受けていた方が1000倍マシであった。
40kmぐらい離れた浜頓別まで行けば、稚内までのバスが出ているので、運転手さんに頼み込んでバス輪行するという作戦も考えられたのに。
どーせ、バスはガラガラだろうから、問題なく輪行できたはずだ。

いやー、失敗した失敗したと思いながら山道を進みます。

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殺風景な山道を、自分の気持ちを押し殺しながら進みます。
大丈夫だ。
1時間ぐらい走れば、歌登の街が待っている。
セイコーマートで思いっきり赤コーラを飲んで、英気を養おうではないか。

結局6kmほど標高150mぐらいの山道を上り、そこから一気に下ります。
とは言え、向かい風なもんで、下りでも30km/h出ないわけですが。

下りが終わったところで、T字路にぶつかり、右折して歌登方面へと向かいます。
ひたすら苦しかった道道1023号線とは別れを告げ、道道120号線に入ります。
あと8kmぐらいで歌登の街の中だ!と思ったところで、不可解な標識を発見します。





歌登まで17km





!!!!!!!!!!

おかしい、国道の看板には「歌登グリーンパークホテルまで18km」となっていたのに、どうして10kmぐらい進んだにも関わらず、歌登への距離はちっとも縮んでいないのか?

そうなのである。
ここで私は重大な思い違いをしていたのであった。

歌登グリーンパークホテルは、歌登市街から離れたところにあるのだった。

おいおい頼むよ。
普通、田舎のホテルって市街地にあるものじゃないのか。
なんで、こんな観光地でもなんでもないところで、人里離れたところにホテル作らなくちゃならんのか?
そりゃあ、ホテルに観光客が来なくて、タイから客呼ばなきゃならないわけだ。
(なぜかこのホテルには、タイから年間2000人ぐらいの観光客が来ています。この辺のくだりについては、テキトーに「歌登 タイ」などの検索ワードで調べてみてください)


まあ、絶望しましたね。
相変わらず向かい風は激しいし、17kmも持つのでしょうか。
いや、持たせなければならないのです。

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予備知識ゼロで、私はこの道に突入したわけだが、ここも熊出没地帯なのね。
私は歌登に着くまでに、熊に食べられてしまうのかしらん。
北海道の田舎道をサイクリングするときは、熊出没情報を事前にチェックするようにしましょう。

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倒壊した家屋があっちこっちにありましたね。
歌登も以前は「歌登町」という立派な自治体なのであったが、まあ、これだけ寂れると、枝幸町と合併しちゃうわけですな。

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ようやく民家がちらほら見えてきました。

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この辺は酪農地帯で、人の姿はほとんどありませんでしたが、牛だけはたくさんいましたね。

ひょっとしたら自動販売機とか、この集落でたったひとつのパンやお菓子を売ってる個人商店があるんじゃないかと期待しておりましたが、そんなものは存在せず、歌登市街をひたすら目指すしかないわけです。

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そういや、国道を外れてから、こういう意味不明な標識を頻繁に見かけたのであるが、一体何を意味しているのだろうか?
ロシアに向けての謎の暗号なのだろうか?
まだまだ私の知らない北海道はあるものだ。

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歌登まで11km……。

この辺りで歌登に対する怒りがふつふつと込み上げてきた。



歌登、遠すぎるんじゃボケェ!!!!!

こっちはふらふらになりながら来てやってんだから、市街地の方からこっちに来るのが礼儀というものではないか。



我ながら勝手なことを思って、全くもって歌登にとってはいい迷惑なのである。
大体ふらふらになっているのは、きちんとコンビニで補給しなかったからであろう。

そんな自分のミスは棚に上げて、死にそうになりながらペダルを漕ぐ。
それでも徒歩やランニングと比べると、自転車はバテたところで15~20km/hぐらいはスピードが出るんだから便利な乗り物だよ。

途中、歌登グリーンパークホテルへの入り口が近づいてきた。
冷静に考えると、ホテルの中に自動販売機ぐらいあるだろうから、ホテルに寄るという選択肢もあったのだろうが、疲れていると物事を柔軟に考えられなくなり、市街地のセイコーマートまでは何も補給できないものだと思い込んでしまう。

国道の分岐点から約1時間半。
ようやく歌登の市街地が近づいてきた。
私の頭の中は赤コーラでいっぱいだ。

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ずーっと何もない田舎道を走ってきたので、この素朴な市街地がものすごい大都会に感じた。
もう、すすきののど真ん中に来たんじゃないかという気すらした。
いや、それはさすがに言いすぎだ。

とにもかくにも、ここまで来たら私は無敵だ。
セイコーマートさえあれば、どんなものでも手に入る。
田舎のセイコーマートは万能なのである。

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13:15、セイコーマート歌登店到着。
今までの人生で、これほどセイコーマートがありがたいと思ったことはなかった。

市街地には、ほとんど人っ子ひとりいなかったにも関わらず、セイコーマートにはそこそこたくさん人がいた。
田舎のセイコーマートは、その町の中で一番人の集まるところなのである。
そう、セイコーマートは買い物をするだけではなく、街の社交場の役割も果たすのである。

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私はこのコーラの味を一生忘れることはないだろう。
500mlを一気に飲み干して、ゲップがしたくなった。

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ここまで来たらもう大丈夫だ。
本日の目的地、音威子府まであと30km。
ただ、セイコーマートに寄っただけなのに、苦労してやってきただけあって、歌登というところが私にとっては非常に印象の残るところとなったのであった。

ああ、歌登。

ここまでの走行距離 約210km。
ここまでの所要時間 約10時間30分。

つづく

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by gossy54200 | 2018-07-02 22:59 | ロード | Comments(4)  

Commented by danny at 2018-07-04 22:41 x
歌登のセイコーマートにも他にサイクリストが居たという展開を期待した人が何人かいます (*‘∀‘)
Commented by gossy54200 at 2018-07-08 22:05
さすがにこのようなマイナーな地に訪れるサイクリストは皆無でありました。
歌登~音威子府間で自転車は一台も見ておりません。
こういうところを自転車で走るのも味があるものです。
Commented by でかつ at 2018-07-09 21:54 x
すでに歌登ではスーパーが無くなり、買い物はセイコーマートしかないはず(;^ω^)
まぁ、みんな車があるから隣の枝幸の西條行くんだけど。あまりにも不便なのでうちの実家は数年前に亡くなった婆様の家を少し直して枝幸に移住しましたわw
Commented by gossy54200 at 2018-07-10 22:20
サロベツ生活を経験した身からすると、田舎の生活はセイコーマートとホーマックニコットが命綱になるのですが、歌登にはニコットがないのが致命的ですね。

枝幸に西條があるのはちょっとびっくりしました。
てっきり士別と名寄と稚内にしかないものだと思ってました。
確かに南宗谷の中では、枝幸が一番開けていますから、あそこに病院とかそういった機能が集結しているのでしょうね。
それでも枝幸ですら十分不便なところと思いますが。

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