3月下旬に痛めた左のハムストリングスであるが、特に治療らしい治療はせず、しかも4月になってから毎日のように走っているにも関わらず、どういうわけか日に日に改善していくという不思議な現象を見せている。
全くもって、人間の体というのは謎につつまれている。
故障が癒えてくると、人間欲が出てくるもので、封印していたロング走をやりたくて仕方がなくなってくる。
「いや、まだそのときではないだろう」と、冷静な私が判断するのであるが、これには私の仕事上の都合という極めて個人的な問題もあるので判断が難しい。
私の仕事は、月の半分は土日に会社からの緊急の呼出の可能性がある仕事であり、今回の週末を逃すと、遠出ができなくなる。
すなわち、ロング走ができなくなる。
いや、呼出に対応できるように、会社の近くで2kmぐらいの周回コースを見つけて、ひたすら何周もするって戦法もありって言えばありなんだが、さすがに周回コースを20周も30周もするのは飽きる。
できることなら、ロング走は遠くまで行ってしまいたいものだ。
そんなわけで、ロング走をやってやるぜ!やってやるぜ!
俺はやるぜ!俺はやるぜ!
と、ロング走に適した片道約25kmのサイクリングロード「湿原の夢ロード」の下見に前日出かけたわけであるが
雪など1mmもないにも関わらず、「冬期間通行止」という状態なのであった。
しょーがないね、釧路の4月は冬なんだから。
サイクリングロード戦法が使えないので、仕方がないから国道38号線をひたすら西に進み、釧路から約30km離れた白糠に行くのがいいんじゃないかと急遽作戦を変更せざるを得なかった。
往復約60kmは、100kmウルトラマラソンの練習としてはもってこいの距離であろう。
しかも利点として
・釧路〜白糠間は起伏がなく、ほぼ真っ平ら。
・コンビニがそこそこあるので、水や食料を持たずに手ぶらで走ることができる。
・沿線はJRやバスが通っているので、故障箇所が悪化したらDNFして逃げることができる。
ただ、難点としては
・ストリートビューで調べたところ、5kmほど歩道のない部分があり、国道38号線は交通量も多く危険である。
・JRやバスの本数が少なく、DNFしても、寒い中待ちぼうけを食らう可能性がある。
まあ、利点欠点はあるのだが、迷ったところで始まらない。
身の危険を感じたら、タクシーでも何でも呼んでやめてしまえばいいわけだと開き直り、ロング走に出かけることにした。
昼前に走り出します。
ホントはもっと早く出たかったのだが、朝は寒いし眠いし仕方ないね。
気温は8度ぐらいで、南からの風が結構強かったです。
装備は以下の通り
・アンダーアーマーのランニングキャップ
・アンダーアーマーコールドギア(長袖コンプレッションウェア)
・アルペンブランドTIGORAのウインドブレーカー
・TIGORAのランニング用手袋
・TIGORAのランニング用5本指ソックス
・Wiggleで買ったdHbのランニング用長ズボン
・一昨年のつくばマラソンの参加賞のネックウォーマー
・NIKEライバルフライ
・ケータイ
・現金2000円
・去年の大会で使わなかったエナジージェル1個
とりあえず、まともに走ったら50km以上の距離になるわけで、ペース配分などどうすればいいかよくわからない。
フル以上の距離なんて走ったことないからね。
ここは「キロ何分何秒」と数字に縛られるのではなくて、「このくらいなら持つんじゃないかな」って言うアバウトな自分の感覚を頼りにしよう。
前例のないものに挑戦するとき、大事なのは「そのときの何となくという感覚」である。
ダメっぽかったら、次回から改善すればいいわけで、初回から完璧を求めてもしょーがないでしょう。
まずは自分のやりたいように自由にやるのだ。
んなわけで、最初の方はガーミンは全く見ずに、走りたいように走ってました。
約13.5kmで白糠町との町境。
ここまで大体キロ5分40秒ペース。
ここで初めてガーミンを見ました。
そんな悪いペースではないので、これをできるだけキープと言う方針で。
一応サブ10狙ってる身分なので、「10km57分」ぐらいのペースで行ければまあいっかと。
白糠町の町境から道の駅の辺りは、歩道がなくて車がビュンビュン走っていて、ちょっと怖かったね。
向かい風が強くて帽子が吹き飛ばされて、帽子がトラックに轢かれそうになるというアクシデントもあったし。
向かい風強いときは、キャップ後ろ前にかぶるのがいいんだろうが、それやるとおでこ日焼けしちゃうし、どうにかキャップ飛ばなくする技がないもんかねえ。
途中立ち寄ろうとした道の駅併設のローソンがなくなっていてショックを受けた。
田舎のコンビニはこれがあるから怖い。
うう、これは20km過ぎまで補給なしか。
ローソンがなくなっても、北海道民の俺達にはセイコーマートがついているではないか!
北海道のど田舎や離島でも、正義の味方のように頼りになるセイコーマートなのであった。
21km地点でようやく補給(チョコパンと豆乳)。
ここのトイレはやたらデカくて快適でした。
白糠も庶路に入ってからは歩道も完備され、向かい風を遮る建物もそこそこあり、快調に進みます。
27.5kmで白糠駅到着。
こっからJRで帰るって選択肢もあったが、特に痛いとこもないんで、そのまま来た道を行けるところまで戻りましょう。
ここまで向かい風の中で走ってきたのに、追い風の復路を味わえないというのも苦労が報われないような気がするし。
白糠駅近くのセイコーマートで2回めの補給(ゼリー飲料とチョコレートバー)、復路は疲れでペース落ちるかなあと思っていたが、追い風効果により往路よりもスピードが上がっていました。
キロ5分30秒ペースはちょっと速いような気がするが、まあ、潰れるまで行くしかないね。
庶路のセブンイレブンで、エナジードリンクを補給。
こっから10kmぐらいコンビニ空白地帯になるので、エネルギーのあるものをドカンと入れておきたかった。
355mlのモンスター一気飲みで、こっからは腹がたぷんたぷんになり走りにくかった。
まあ、サロマ本番では、こんなアホな補給の仕方をすることはないと思うが。
釧路に戻って、市の境界を過ぎたあたりで、フルマラソンの距離に達した。
残念ながらサブフォーならず。
別に狙っていたわけでもなかったのだがと言いたいところだったが、40km地点で3時間49分だったので、「本気出せば行けるんじゃないか」とちょっとは狙ってました。
まあ、残りの距離のことを考えると、本気出す気にはならんかったが。
フルの距離は過ぎましたが、まだ10km以上残ってますよ。
ブログのネタ的には、こっからがキツくてキツクでしょうがなかったと書きたいところですが、これまで通りのペースで淡々と進んでいきます。
「フルの距離以上走る!」と決めたら、意外と人間それなりに対応できるものなのですね。
フルマラソンの大会では、ゴールした後、「ダメだ、これ以上1mmも走れない」と思ったものですが。
結局、限界ってのは自分の脳みそが作っているもんなんだろうなあ。
45km地点、大楽毛のセブンイレブンで最後の補給(プロテイン飲料と羊羹と手持ちのエナジージェル)。
ここまで来たら、普段見慣れた風景なので、もうすぐゴールだと精神的に楽になりましたね。
50km過ぎてから若干失速しましたが、特に痛いところもなく、ガチモードのフルマラソンよりも余裕を持った状態で、釧路〜白糠間55km完走いたしました。
サブ10ペースで50km以上のロングをこなすことができ、かなり自信になりましたね。
故障箇所が明日以降どうなるかちょっと怖いところですが。
反省会は後日に。
ごきげんよう。