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Road to サロマ(阿寒道の駅マラニック38km)

マラニック。

「マラソン+ピクニック」の造語なのであるが、どことなく淫靡な響きがありゾワゾワする言葉である。
サロマに向けてガチなトレーニングばっかりやっても、日々の生活に潤いがなくなるので、たまにはレクリエーション的な要素を取り入れるのもいいのではないだろうか、と言うことでマラニックを練習に取り入れることにしました。
そうだな、やっぱりゴールは温泉がよい。
田舎の温泉の日帰り入浴で、身も心も整える優雅な休日を過ごしたいものである。

んなわけで、釧路から走っていけそうな温泉地をピックアップすることにする。

まず、メジャーどころと言えば「阿寒湖温泉」であるが、同じ釧路市内にも関わらず、中心部から70kmぐらい離れたふざけたところに存在し、しかもずっと上り坂でやってられないのである。
冗談は顔だけにしろと言いたい。

次点として「川湯温泉」もあるのだが、これも釧路から90km以上と遠すぎる。
「サロマで100km走る奴が、たかが90kmぐらいで何を抜かしている」という声も聞こえてきそうだが、「じゃあ、お前走って行ってみろ」と言いたい。
大事なサロマを前に、そんな疲れることはしたくないのである。

そんなこんなで、候補地を絞っていくうちに、鶴居村がいいのではないかという結論に達した。
鶴居というところは釧路管内でも非常にマイナーなところではあるが、地味に源泉かけ流しの温泉施設があり、あなどれない。
距離も釧路から30kmぐらいと、ちょうどいい感じで、アップダウンもあり鍛えられる。
よし、鶴居だ鶴居と、日曜日、気温一桁で北風がビュービュー吹く中、走り出すことにしたのであった。

ところで「ピクニック」と言うと、皆さんは何を連想するだろうか。
なんか見晴らしのいい公園で、ゴザ敷いて、彼女の作ってくれた弁当を「あーん」してもらいながら食べるという、極めて軟派なチャラチャラしたイメージがあるのだが、私は立位体前屈がマイナス20cmぐらいの硬派なので、そんなことはしない。
大体、私がそれをするには、ゴザと手作り弁当と彼女が不足している。
男一人のマラニックはリュックと風呂道具と着替えがあれば十分だ。

リュックは去年サイクリング用に買った10リットルのものである。
走っているときもそんなに揺れず、キロ6〜7分でまったり走るには十分である。

SHIMANO(シマノ) U-10 サイクリングバック

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まずは、サイクリングロード「湿原の夢ロード」を阿寒方面に進みましょう。
それにしても、風がめっちゃ強い。
これが追い風ならいいのだが、ものすごい向かい風でやってられない。

当初の予定では、サイクリングロードを途中で降りて、鶴居へと北上するつもりであったが、これだけ風がアゲンストだと厳しい。
しかも、20km以上追い風区間なしという拷問である。
私は「マラニック」というレジャーをしているのであって、サロマへの修行をしているわけではない。
んなわけで、あっけなく目的地を変更した。

風は北からびゅんびゅん吹いているが、北西方向ならまだマシだろうということで、そのままサイクリングロードを突き進み、阿寒の温泉を目指すことにした。
道東を知らない人のために言っておくと、ここで気をつけてほしいことは、「阿寒」と「阿寒湖温泉」では、場所が全く違うということである。
同じ阿寒がつくのだが、距離にして40kmぐらい離れているのである。
すなわち、釧路からだと30kmちょいということで、まあ、鶴居とあんまり変わらん距離でちょうどいいだろう。

あっさりと目的地を変更し、斜め前から向かって吹いてくる風と格闘しながら前へ進む。
家から16kmで山花着。
ここは25kmのサイクリングロード中で唯一自販機が存在するところで、ここを逃すと阿寒市街まで補給スポットはない。
500mlのスポーツドリンクを買って、ちょこっと飲んで、残りはリュックに忍ばせておくことにしよう。

サイクリングロードは普段自転車でも走り慣れている道なので、ちっとも非日常的なレジャー感はなく、ただのキツいトレーニングになってきている。
日曜の朝、一人でリュック背負ってゼーゼーハーハーして、私は何をやっているんだ?
山花には温泉もあるので、「もう、ここでいいか」と風呂にダイブしたい気持ちもかなりあったが、さすがにまだ20kmも走っていないうちに自分にご褒美を与えるのは、自分に敗北したようで許せない。
欲望を満たすためには、その前に我慢を強いることが肝心なのである。
欲望を簡単に満たしてしまうと、ありがたみが薄れるからね。

25km辺りで右の股関節が痛くなってきた。
これはマズい、こんな人里離れたサイクリングロードではタクシーも呼べんぞ。
うーん、どうしようどうしようと、立ち止まってスポーツドリンクを飲みながら、テキトーに右脚をプラプラさせていたら、走ることができる程度には回復した。
もう、さっさと温泉に行って、欲望を開放しよう。

Road to サロマ(阿寒道の駅マラニック38km)_a0156548_20035503.jpg

ガラガラのサイクリングロードをひた走ります。
さすがに釧路市街から20km以上も離れると、他にランナーなんていないし、自転車もほとんどいない。
(サイクリングロードの山花〜阿寒は路面が荒れているところが多く、ロードバイク乗りには避けられる)
人口密度が低いところが大好きな私も、さすがにこれはちょっとどうよと思ってしまうような寂寞さを感じる。
まあ、寂しいだけならいいんだが、熊とか出るんじゃないだろうなあと、ちょっと怖さすら感じてしまうサイクリングロードの終盤なのであった。

Road to サロマ(阿寒道の駅マラニック38km)_a0156548_20050233.jpg

ようやく釧路管内にも日本一遅い桜の季節が訪れました。
桜は咲いているんだが、寒くてちっとも春って気がしないのだがね。

阿寒町のセブンイレブンでコーラ&大福補給。
こっから目的地の温泉までは約4kmぐらいと、距離的には楽勝なのだが、こっから北に進路を取るので、真正面から向かい風がビュービュー吹いて辛かったですよ。

Road to サロマ(阿寒道の駅マラニック38km)_a0156548_20151635.jpg

38kmで目的地に到着。
本当は34km地点ですでに目的に到達していたのだが、どうせならキリよく4時間走にしようぜと、無駄に周辺をダラダラ4km走ってました。
「ここまで距離稼ぎしたのなら、ついでなんで40km走にすればいいんじゃないか」という声も聞こえてきそうだが、体力の限界、気力もなくなり、引退することになりました(千代の富士引退会見風に)。

さあ、辛いことは終わった。
風呂にしようぜ!

風呂は内風呂のみ。
40度と42度の浴槽があるのだが、40度の浴槽が私にはちょうどいい温度で、いつまでも浸かっていられるような湯であった。
あー、しんどいことをした後の風呂は極楽極楽。

んでもって、サウナで整えるのも忘れずに。
テレビもサウナ独特の12分計もない狭いサウナであったが、サウナ→水風呂→サウナ→水風呂の黄金のローテーションで、ランニングで乱れた体調はすっかり整ったのでありました。

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んでもって、道の駅でソフトクリームを食べ。

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ガラガラの路線バスに乗って、帰宅したのでありました。
ちなみにこの16:40のバスが最終バスという田舎クオリティー(バスは1日4本)。

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キョーレツな向かい風と、リュックを背負っていたことを考えると、ペース的にはこんなもんじゃないでしょうか。
途中痛めた右股関節も、なぜか復活していたし。
マラニックの予定なのであったが、気がつけばリュックを背負って、いつもより厳しい条件で走っただけで、レジャー的要素はほとんどなかったような気もするが、「孤独のランニング」はこんなんでいいんですよ。
見晴らしのいい公園も、ゴザも、手作りの弁当も、彼女も「あーん」もいらないのですよ。
と、井之頭五郎風に、今回の総括をしてみました。

いずれ、風向きのいいときに、今回果たせなかった鶴居村マラニックのリベンジをしたいと思います。

ごきげんよう。

by gossy54200 | 2019-05-13 21:03 | ランニング  

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