その1 その2 その3
さて、早朝にクビにしたウインドブレーカーを再び着込み、今度はダウンヒルの部に入ります。
峠に着いてから降ってきた雨は上がったのですが、路面はウエットでしたね。
コケないように、慎重に下りていきます。
でもって、大体下りきったところで、ウインドブレーカーを脱ぎ、摩周駅まで残り約20kmの道のりをキコキコ行きます。
もう12:30過ぎてるんだけど、13:57のJRに間に合うんだろうか?
クッシー街道をひた進みます。
これで、「クッシーは実はいませんでした」ってことになったら、この道の運命はどうなるのだろうか?
美幌峠まで行けば、残りは楽勝って思っていたんだが、なんだかんだでそれなりに距離はあるな。
「早く、駅に着け着け」と思いながら、くるくるペダルを回していきます。
これでJRの時刻に間に合わなかったら、怒涛の3時間待ちなんだよ。
この列車に間に合わないと困るんだよ。
弟子屈市街に入り、まだ時間に余裕があり、「ああ、これで間に合うよ」と安堵したはいいが、肝心の摩周駅の場所がよくわからない。
どうして、こういう肝心なことをきちんと事前に調べないのだ?
まあ、それでもちょっと迷いながら、標識に「摩周駅はこっちだよ」と案内が出ていたので、どーにかこーにか摩周駅にゴール。
ここまで約139km、平均速度24.1km/h。
写真の時計を見ると、13:30ちょっと過ぎと、正に予定通りのドンピシャのタイミングで、駅に着きましたね。
我ながら、今回の計画の完璧さにニンマリしたのであった。
さて、しかし、家に到達するまでがサイクリングである。
こっからロードバイクを輪行袋に詰めるという、一大イベントが待っていたのであった。
3年ぶりのロード輪行だが、大丈夫なのか?
とりあえず、ペダル外して、前後輪外して、リアにエンド金具をつけて、あとは袋に図示されているように、サドルとエンド金具を置いてと…。
何だ、意外と何とかなるではないか。
本当はタイヤをフレームにくくりつけたりしなきゃいけないんだけど、くくりつけるひもがないので、強引にファスナーを閉め、よし、パッキング終了!
さて、これを持って駅に入るのだ。
肩ひものつけ方が間違っていたのか、なんか持ちにくいが、とりあえず切符を買って、改札を抜けるのだ。
ちなみにここの駅には足湯があったのだが、自転車パッキングに時間がかかってしまい、足湯につかるのは省略。
今回のサイクリングは、ここまで完璧な計画であったのだが、最後の詰めが甘かったようだ。
さようなら、次着たときはゆっくりつかるぜよ。
図体はでかいが、車両重量自体はブロンプトンより軽いので、思ったより階段の上り下りは苦にならなかった。
何よりもフラットペダルだと、ビンディングシューズの処理に困らなくていいよ。
今まではサンダル持参で、色々めんどくさかったからな。
平均速度もビンディングと大して変わらんし、レースとか出ない限り、フラペで十分じゃないかという気がした。
さらば、摩周駅!
北海道ローカル線おなじみの、ディーゼルカー一両編成の列車です。
キハ何系とか、そういう難しいことは知らん。
列車は超ガラガラでしたね。
私も含め、乗客は3名。
釧網本線万歳。
輪行最高。
ちょうどいい感じで、自転車が置ける席があったので、そこに座ります。
標茶駅で高校生が何名か乗り込んできたが、のどかな列車だよ。
列車の揺れに身を任せ、うつらうつらと夢の世界に入ります。
ところが塘路駅で、一気に静寂がぶち壊れた。
観光客がどどんと乗り込んでくるではないか。
旗を持った添乗員のおねえさんもいたので、彼らはツアー客なのか。
ツアーなら、こんなローカル線使わんで、観光バスを使わんか、バスを。
まあ、今回は添乗員のおねえさんがキレイな人だったから許してやろう。
塘路駅からの車窓の眺めは素晴らしかったですね。
国道を外れて、ダイナミックな湿原がダダンと視界に入ります。
確かに、これだったら観光バスで国道を走るのではなく、JRを使った方がより楽しめるのかもしれない。
線路沿いには、舗装されていない道なんかもあり、ここをMTBで走ったら面白いかもしれんなあ。
釧路湿原駅で、ツアー客は降りたが、また別の観光客の団体が乗り込んできた。
釧路湿原って、私が思ったよりも観光客が多いのね。
ただのはらっぱを見るのに遠くからわざわざ来る人がいて、ご苦労様なことだ。
最終的には、そこそこの客を乗せた状態で、列車は終点の釧路駅に着いた。
さて、何度も言うようだが、家に着くまでがサイクリングだ。
輪行袋から自転車を出して、自転車を組み立てるのだ。
ここで、「あー、ペダルを摩周駅に忘れた~!」なんて落ちがあったら面白いのだが、何事もなく、10分ぐらいかけて自転車を組み立て、無事に自宅へと帰っていったのであった。
ひょっとしたら、全部自走でも行けたんじゃないかという気もしたが、きっと「少し物足りない」ぐらいで終わるのが、理想的なサイクリングなんだと思う。
その「物足りない」が、次回のサイクリングへとつながっていくのだ。
そんなわけで、グランフォンド摩周に向けての試走は完璧なのであるが、肝心の本番の天気が雨予報ということで、やっぱ出るのやめようかなあと、ちょっと弱気になっている私なのであった。
《まとめ》
・前後輪の脱着さえできれば、ロード輪行は何とかなる。
・ビンディングシューズなどめんどくさいだけで、ない方がすっきりする。
・イベント前の試走は、かえって本番出なくてもいいんじゃないかという気分になる。
ごきげんよう。
(このシリーズ終わり)