ハワイでサイクリングをするなら、断然ハワイ島に限る。
一応、ワイキキ周辺にもロードバイクレンタルできるショップはあるんだが、ワイキキ周辺は車も多いし、道も複雑だし、土地勘がない人間がロードバイクを走らせるにはちょっと怖い。
その点、ハワイ島はよい。
道は北海道のように広く真っ直ぐで、雪も降らないくせに路側帯がアホみたいに広く、ストレスフリーで自転車に乗ることができる。
これだけ見ると、まんま道東や道北チックな「This is 田舎道」ですな。
ぶっちゃけ、広くて真っ直ぐな道路を堪能したいだけなら、ハワイ島なんか行かず、釧路周辺を走っていればいいじゃないかという意見もあるかもしれんが、まあ、そこは突っ込まないでくれ。
わざわざ、ハワイでロードバイクに乗ることに意味があるのである。
ハワイ島には「Bike Works」というロードバイクショップと言うか、厳密に言えばトライアスロンショップがあり、そこでロードバイクをレンタルすることができます。
で、ロードバイクを借りる前日の夜に「明日、ロードバイクを借りたい。空いてる自転車はあるか?」と訪ねたところ(日本語は通じない店なので、英語のやり取り)、「大丈夫だ。明日8時に来い」と満面の笑みで言われ、「お前のロードバイクはこれだ」と赤いロードバイクを指差し、いやあ、ちょっと緊張したけどあっけなく予約が終わったなあと、ほっとして帰路についたのであった。
サイクリング当日。
指定された通り、朝8時にショップに行くと、昨日の店員はいなかった。
嫌な予感がしながら、別の店員(この人も日本語は通じない)に訪ねてみると、「予約があったなんて聞いてない」とのこと。
くそー、そう言えば昨日の店員、俺の名前も聞いてこなかったし、書類も何も書かされなかったので、なんか怪しいと思ったよ。
で、「サイズは?」「コンポーネントは?」と聞かれたので、自分の身長と、コンポは105と答えたところ、肝心のロードバイクの空きはあった。
ちょっと手こずりながらも、どうにかレンタルの手続きをすることはでき、ほっと一安心なのであった。
尚、借りたロードバイクは、昨日の店員が指差した赤いロードバイクではなかったが、多分、同じ車種だと思うので、そこは気にしないことにする。
今日の店員は愛想はよく、「私の妻は日本人で東京出身だ」とか「東京オリンピックのチケットが当たったから見に行くよ」などと色々話してきたが、奥さんが日本人なら、少しは日本語喋らんかと思った。
借りたバイクは「SPECIALIZED」の「ルーベ」というものであった。
わたしゃ、スペシャの自転車のことは全く知らんので、サイクリングが終わってホテルに帰ってから調べたところ、エンデュランス用のミドルグレードのバイクのようですな。
GIANTで言えばDEFY ADVANCED、Cannondaleで言えばSYNAPSE的な存在かな。
ディスクブレーキでタイヤの太さが28Cと太いところが、いかにも最近流行のロードバイクって感じでテンションが上がる。
サドル高のセッティングを終えて、走り出しましょう。
尚、レンタルバイクの附属品としては
・ヘルメット(欧米仕様なので、サイズが合わず、走行中ズレまくって非常に困った。ひとつ小さいサイズだと横幅が狭すぎるのよね)
・カギ(めちゃくちゃデカい。サドルバックには入らず。念のため6リットルのリュック持っていってよかった)
・タイヤレバー、予備チューブ、携帯ポンプ(パンクしても安心)
・ペダル(ビンディングシューズなど当然持ってきていないので、フラットペダル。シューズがあればビンディングペダルも貸してくれる)
てなところでしょうか。
ちなみにレンタル料金は75ドル。
コンポーネントがアルテグラのDi2電動になると85ドルに跳ね上がります。
ついでに保険に入るかと聞かれたので、5ドルぐらいなら入っておいた方が無難だと思います。
ショップから40kmほど離れたカイルア・コナの街まで行ったわけであるが、本当にこの道は走りやすく、他にもロードバイク乗りはたくさんいて、日本でやるようにすれ違うロードバイク乗りに手を上げてお互いに挨拶なんかしたりして、やはりこの辺のロードバイク乗りの挨拶は万国共通なんだなあと感激したのであった。
カイルア・コナの海岸は、北海道で言えば、どことなく小樽の銭函っぽいわびさびの効いた感じがしてよかったです。
こっからおとなしくショップに引き返せばよかったのだが、ついでにキャプテン・クック記念碑も見に行こうって話になり、スマホで調べたら、カイルア・コナの中心地から約20キロと、まあ行けなくもないろうとペダルを漕ぎ始めたはいいが、恐ろしい激坂が待ち受けていて、半年ぶりにロードバイクに乗った私としては、なんで観光ファンライドのつもりが、ヒルクライムトレーニングになるのかと、キャプテン・クック行きを提案した同行者を心底恨みたくなった。
向こうの峠道って、日本の峠道のようにつづら折りになっていなく、一直線に果てしなく坂が続いているので、見た瞬間に心がボキボキ折れるのね。
帰り道は、スコールに降られたり、ラスト10kmの向かい風がキョーレツで(最初の写真のような、遮るもののない吹きっさらしの道が延々と続くので、地獄です)、平地なのに時速10kmぐらいしか出ず、「これはキロ5〜6分ペースだな」と、すっかりマラソン脳になってしまったのであった。
今振り返れば、激坂もスコールも向かい風もいい思い出になるのだがね。
スコールにやられた30分以外は、天気もよく、楽しいサイクリングでありました。
去年はほとんどロードバイクには乗らんかったので、今年は心を入れ替えて、ロードで走りまくろうかなあと。
にしても、今回レンタルしたロードバイクはめちゃくちゃ乗りやすかったなあ。
やっぱりディスクブレーキはいいですわ。
特に私のように下り坂が怖くて、握力のない人間にとっては、下りの安心感が全然違いますわ。
やっぱ、この前ロード買ったとき、ディスクロードにしときゃよかったかなあと。
DEFY ADVANCED2がちょっと欲しくなってきたが、でも、春になる頃には、そんなことは忘れてしまうのだろう。
と言うか、忘れることを願いたい。
今回の旅行で散々散財したので、こっから自転車を増やすことなど言語道断なのである。
ガーミンの走行ログで、異国の地図が出てくるとテンションも上がりますね。
この走行ログを見て、ニタニタするために、私はわざわざ外国でロードバイクに乗ったのでありました。
では、Mahalo〜