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とにかく限界に挑戦してみる(その7 200kmの壁)

前回はこちら

塩狩峠記念館で帰ろうと思ったのですが、
記念館のおばちゃんの「このあと、どこ行くんですか?」攻撃にまんまと引っかかり
更に北へと、進むことにしました。

いや、あれですよ、言い訳っぽくなるけど、
「このあと、どこ行きます?」
って聞かれて、「帰る」とは答えにくいものですよ。
やっぱり向こうも、もっと北へ行くものだと期待しているわけではありませんか(自意識過剰)。

まあ、別に「指きりげんまん、ウソついたら、はりせんぼん飲ーます。ゆーび、切った!」
って約束したわけでもないから、そんなことは無視して帰るってのも一つの手なのだけど、
やっぱりね、宣言した以上、男としてはそれを守りたいわけなのよ。

ということで、後ろ髪を引かれる思いで塩狩駅&塩狩峠記念館を後にします。
当初の予定では10分ぐらいしか滞在しないはずだったのに、
気がつけば1時間ぐらい滞在していましたね。
この時点でAM10:40。

さようなら、塩狩駅。また、冬に来たいものだ。
スパイクMTBで(ウソ)。
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再び自転車にまたがります。
一旦、またがると、さっきの「帰りたい」って気持ちは吹き飛びましたね。
なんだかんだで、俺はホントに自転車が好きな奴だとあきれてしまう。
ただ、ペダルを回す機械となって、ひたすら前だけを見つめます。

峠の下りを颯爽と下りたいところであったが、向かい風のため30km/hぐらいしかスピードは出ず。
でも、俺はスピードの恐いチキンな男だから、このくらいの速度で十分だ。

やたら長ったらしい、ロシア人みたいな名前の川。別に川の名前を覚えようとも思わない。
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マタルクシュケネブチ マタルクシュケネブチ 看護婦さんになーれ
魔法の呪文としても、イマイチ使えなさそうだ。

和寒は玉入れのマチらしい。こういうのは最初に宣言したもの勝ちだな。
日本一のチームに対して、50万円という賞金が高いのか安いのかはよくわからん。
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風景は単調、向かい風はちょいキツイ。時速17~18km/hぐらいで、とにかくゆっくり。
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剣淵町突入。ここは絵本の里だ。
お前は絵本よりもエロ本が似合うという、古典的なツッコミは認めない。
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正午、士別市突入。4月から士別に移り住んだMさん、お元気ですか~?
私は日々、こんなアホなことばかりやってます。
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この辺りから、また猛烈な眠気がやってきて、目を開けているのが苦痛になってきた。
眠たくなったときは、もうアレしかない!
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この日2本目のレッドブル!

セブンイレブン士別南町店でゲットしました。
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一緒に買ったクリームドーナツをおやつに、ドリンクを飲み干します。

キク━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!

眠気はすっかり吹き飛び、パワーは100倍になった。
経験値が5上がった。呪文を1つ覚えた。

まるでどうでもいいことなんですが、士別市の国道40号線沿いは
住所が国道を挟んで、「大通東15丁目」「大通西15丁目」からどんどん減っていって
「大通東1丁目」「大通西1丁目」ってなっていったんですよね。
写真は大通西4丁目交差点。
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「じゃあ、1丁目の後の住所は一体どうなるのだろう」と思ったら、今度は
「大通北1丁目」
と亜空間異次元攻撃に出てきた。反則だろ、士別市。
ちなみに「大通南○丁目」という住所は存在しない。

そんな、ものすごくどうでもいいことに、一人でウケながら、向かい風の中、更に北へ向かいます。
もうね、こういうつまらないことにでも、笑っていないとやってられない。
さすがに50kmぐらい延々と向かい風が続くと、嫌になってくる。
というか、どうして50kmも走る前に、嫌にならなかったのかという疑問は残る。

そして、士別市多寄の地でついにこのときが来ました。
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200km達成です!

すげー、すげーよ、俺。
この時の時間は、PM1:00ぐらい。
札幌からちょうど13時間半かけてやってきた計算になりますね。
200kmブルベの制限時間ギリギリって感じです。

ここからは先は、完全に未知の領域だ。

気温は18度ぐらいと涼しいので、脱水症状はなく快適だ。
心肺機能も大丈夫だ。
左足のアキレス腱がちょっと痛む。
あと首から肩にかけても痛いが、ガマンできないほどではない。
尻の痛みはいつものことであるが、
ここまで来ると「これはこういうものなのだ」と悟りにも似た境地に達してくる。

つまり、まとめると

体力的には全然まだ行ける


道のりも、この後峠道はないので、そんなにキツくはない。
後は、向かい風に対する嫌気などの、メンタル面が問題になってくるんじゃないか思われる。

名寄市突入。PM2:00。ここまで210km。
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まだまだ限界はやって来ない。

(つづく)

# by gossy54200 | 2010-09-24 18:52 | ロード  

とにかく限界に挑戦してみる(その6 塩狩駅&塩狩峠記念館)

いい加減めんどくさくなったので、前回分だけリンク貼っておきます。

とりあえず男は黙って、塩狩駅に行くことにしましょう。
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塩狩峠です。
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小説のモデルになった長野さん殉職の碑です。
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「神は愛なり」などと普段言われても、「ケッ!何が愛だ」と思ってしまうのだが、
実際にこの地で、愛のために自ら犠牲になった長野さんのことを思うと、何かグッと感じるものがある。
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やっぱりね、こういうものは本を読むだけではなく、
実際の現場に行って、この目で見ることによって、より小説の中の世界は広がっていきますね。
きっと小説の設定と同じ冬に行くと、もっとグググッと来るものがあるのでしょうね。

塩狩駅ホームです。
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数時間に一本しか列車が停まらないローカル線なのであるが、たまたまこのときは列車がやってきた。
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列車の乗客は、もの珍しそうに私をジロジロ見ていた。
なんだよ、そんなに無人駅で自転車に乗った、エイリアンヘルメットをかぶっている人間が珍しいのかよ!

・・・・・・・・・そりゃあ、珍しいわな。
注目も集めるわ。
でも、皆の衆、別にわしは悪いことをやっているわけではないので、ジロジロ見ないでくれと言いたい。

塩狩駅駅舎です。
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持ってきた文庫本と塩狩駅と自転車。
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熊が出るらしいです。
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駅名標。
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駅の中です。
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駅ノートです。
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日本全国からいろいろな書き込みがありましたね。
ただ、この駅に関しては、単なる駅マニアというよりは、
三浦綾子の小説に影響されてやってきたという、私のような人が多かった。

塩狩峠記念館です。
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三浦綾子の旧宅を復元したものです。
レトロ看板は執筆業の傍ら、文具・雑貨店を営んでいたころの名残です。

聖書の中のお言葉。反射して、私の姿も写っている。
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「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん、もし死なば、多くの果を結ぶべし」
正に長野さんは、死んだことによって、次の世代に数多くのものを残していったのである。
無味乾燥な聖書の言葉も、物語の中で息を吹き込まれると、生き生きとして心の中に迫ってきますね。

ちょっと厳かで感傷的な気持ちになりながら、中に入ります。

受付におばちゃんがひとりいました。
入館料200円を払うと、おばちゃんに
「あら、自転車で来たのですか。どこから来たんですか?」
と、問われ
「札幌です」
と答えると
「いや、最初の出発点はどこですか?」
と再び聞かれてしまった。
どうも、こういうところをサイクリングする人間は道外の人間であると、はなから決めてかかっているようだ。

ここは道民代表として、
「北海道の人間だってこういうところをサイクリングするのだ!」ということをアピールすべく
もう一度
「札幌です!」
と力強く答えた。

そうすると、おばちゃんは「なんだ北海道の人か」とちょっとがっかりしたような感じで
「札幌から何日かけて来たんですか?」
と聞いてきたので、
「昨日の夜中に出て、10時間かけてここに来た」
と答えると、
「え、一日でここに来たんですか!」
と、死ぬほどビックリされた。
ふふふ、どうやらこの勝負は私の勝ちのようだ。
何に対する勝ちなのかは、さっぱりわからないが。

その後も、おばちゃんは
「雨には降られなかったですか?」
とか、いろいろ声をかけてきてくれた。
気さくで人情味あふれる、よいおばちゃんだった。

館内に入ります。
館内は撮影禁止なので、ここからは写真はなし。

展示物とかは、別に「ふーん」とか「へー」って感じですね。
私は博物館とか美術館とか、そういった館モノをあまり楽しむことのできない人間だ。

でもね、この記念館はよかった。
本当によかった。
何がよかったって言うと、一階ホールから見下ろす、塩狩駅の様子がよかった。
林越しに見える、駅の様子に心の底から安らぎを感じた。

守られていると言うか、癒されると言うか、まあ、言葉にはできないが、
この空間のかもしだす雰囲気に、ただただ圧倒された。
写真に撮れないのが、本当に残念だった。

ボーっと、駅を眺める。
この感じは、先月行った札沼線の豊ヶ岡駅と似たような感じなのであるが、やっぱり違う。
豊ヶ岡駅は自然につつまれた優しさを感じられたのであるが、
塩狩駅はそれに加えて、人のぬくもりを感じさせる。

いや、やっぱり、違う。
あまりこういう言葉は使いたくないのだが、神に守られている聖なる空間
という表現が、この駅には一番しっくり来るのかもしれない。
犠牲になった長野さんが、今もなお全力でこの地を守っているという
そんな不思議な感じが、記念館から見下ろす塩狩駅にはあったのである。

記念館を訪れた人の感想文を読みながら、駅を眺めること、30分ぐらい経っただろうか。

不意に、もういいかな・・・と思った。

もう、いいかな・・・

今日の俺は、これを見に来たんだ。
きっとこれ以上進んだところで、これ以上の光景には出会えないと思った。
だったら、最高の光景を目に焼き付けたまま、ここで帰るのが幸せなんじゃないかと・・・。

そうだな、帰ろう。

別に体力の限界まで進んだとか、そういうわけではない。
でも、限界を知ることよりも、もっと大事なものがあるんじゃないか。
「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」という故事成語もあることだ。
最高のものに出会った以上、ここで帰っても後悔はない。

「よし、帰るぞ!」と心を決め、記念館から出ようとした。

すると、受付のおばちゃんが
「このあと、どこまで行くんですか?」
と、声をかけてきた。

「ええ、このまま名寄の方まで行こうと思っています」

あー、俺のバカバカバカ。
どーして、素直に帰るということが言えない。
なぜ、見ず知らずのおばちゃんに見栄を張る必要がある。
別にここで帰ると言っても、全然恥ずかしいことではないのだぞ。

そんなわけで、おばちゃんに「更に北へ行く」と言った結果、

自分の限界を目指す旅は続行されることになったわけである。

「このあとも、雨が降らなければいいですね」

おばちゃんは、最後までいい人だった。

(つづく)

# by gossy54200 | 2010-09-23 19:48 | ロード  

とにかく限界に挑戦してみる(その5 いざ塩狩峠へ)

今までの軌跡 → その1 その2 その3 その4

恐怖の春志内トンネルを通過して、旭川市街に向かおうかなあと思ったのですが
旭川市街地を回避できるバイパス(旭川新道)があったので、そっちの方を進みます。

時間は8:00ぐらいですね。
小まめに食い物は食っているのですが、運動量がそれ以上なのですぐに腹が減りますね。

ずっと、コンビニでショボいものばっかり食っていたので、ちょっと豪華なものが食いたい心境だった。
そうだなあ、マクドナルドでソーセージエッグマフィンセット(440円)でも食べたい心境だ。

お前の豪華はその程度なのか?

マック!マック!
と心の中で叫びながら、ひたすらペダルを漕いでいく。
さすがに目標が明確になると、ペダルを漕ぐ足にも力が入るというものだ。
(ここから頭の中がソーセージエッグマフィンセットに支配されていたので、しばらく写真すら撮っていません)

しかし、行けど進めどマックのマの字も見当たらない。
おお、何と言うことだ!これが本当に北海道第二の都市なのか?
旭川新道はひたすら旭川郊外を走る道で、ファーストフード店はおろか、コンビニすらまだらであったのだ。
失敗した。ここは市街地を進むべきだったのだ。

R40に入ります。
旭川から稚内へと向かう国道ですね。
いよいよ真の限界への闘いが始まります。

ここから風は向かい風になります。
すでに140km近く走っている身には、結構こたえます。
ペダルの回転速度はどんどんにぶくなっていきます。
これからまだまだ何キロ走るのかわからないので、
フロントのギアをインナーに落として、省エネ走法で行くことにしましょう。
巡航速度で18~20km/hぐらいのスローペースで進みます。
(結局、ここから最後まで、長い下り坂以外でフロントアウターを使うことはなかった)

R40に入ってもマックは発見できず。
どんどん郊外に入っていって、このままだとコンビニ空白地帯になりそうだったので、
不本意であるがセイコーマート東鷹栖1条店で補給&休憩。
カロリーメイトとホットシェフのツナマヨおにぎりとスポーツドリンクをゲット。
ソーセージエッグマフィンは食べられなかったが、おにぎりはおにぎりでうまかったよ。
って、そりゃあ140kmも自転車を漕げば何でもうまいに決まっているだろう。

ソーセージエッグマフィンセットショックを乗り越えて、再びずんどこ進みます。
あんなものは別に旭川まで行かなくても、いつでも食えるのだ。
とりあえず、ここではもうソーセージエッグマフィンのことは忘れよう。
別れた恋人のことを考えても仕方がなく、死んだ息子の年を数えても始まらなく、
こぼれたミルクを嘆いてもしょうがないのである。覆水盆に返らず。

で、2kmぐらい行ったところにある、比布トンネルを超えると(このトンネルは広い歩道があって快適でした)
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そこは比布(ぴっぷ)町でした。

昔、ピップエレキバンのCMで比布駅が使われてちょっと有名になりましたね。
当時のピップエレキバンの会長がお亡くなりになって、かなりの年月が経つのであるが、
二代目のピップエレキバンの会長は、一体どこで何をやっているのだろうか?

看板に稚内の文字が現れました。
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うむ、さすがに230kmは無理だ。
ただ、名寄までは余裕で行けそうだなあ。
稚内-名寄間のマチの距離はどうなっているんだろう?

景色は田園地帯の単調な風景が続きます。
正直、退屈。
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まあ、でも退屈って感じることができる分、まだまだ精神的に余裕はありますね。
体力的にも軽いギアをくるくる回す分には、全く問題ないし。

んでもって、上っているのかどうかよくわからんような、ゆるーい上り坂をキコキコ進みます。

うん、まだまだ楽勝!楽勝!と思っていたら、ちょっとキツ目の坂になってきました。
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お、いよいよ、塩狩峠か。

三浦綾子の小説の中にも
この塩狩峠は、天塩の国と石狩の国の国境にある大きな峠である。旭川から北へ約30kmの地点にあった。深い山林の中をいく曲がりして越える、かなりけわしい峠で・・・
と書かれている。

ここから先は相当厳しい闘いになりそうだ。
今までのような、鼻歌混じりの甘っちょろい気持ちで向かってはいけない。
全神経を峠に集中すべく、とりあえず近くのパーキングエリアで休憩をとることにしよう。
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カロメチーズ味で栄養補給だ!
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すでに160kmを走った状態で、この峠を越えることはできるのだろうか?
ここから何キロぐらいの上りになるのかさっぱりわからない、どのくらい時間がかかるのかもわからない。
とにかく、強い心を持って進むのみである。
さあ、上るぞ!

わずか数百メートル行ったところで、和寒町突入。
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さて、和寒のカントリーサインの奥の方に何かが見える(上の写真の赤く囲まれたとこ)。
嫌な予感だ。
これって、もしかしてひょっとして・・・・・・。
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塩狩峠の頂上じゃないか!

休憩からわずか3分後、あっけなく峠のてっぺんに到着したのであった。
カロメを食べていたときの燃え盛る峠に対する熱い気持ちのやり場に困った。
ハハハハハ、そっか、塩狩峠ってこんなにショボい峠だったのか
実は、あの上っているのかどうかよくわからんようなゆるい上りから、峠道は始まっていたのか・・・。

なんかね、すごく苦労して峠のてっぺんに着くことをイメージしていたから、めちゃくちゃ拍子抜け。
ただただ拍子抜け。
疲労感とは違う意味で抜け殻になったって感じ。
俺の燃え上がったエネルギーを返せ!

とは言え、冷静に考えてみると、特に大きな苦労もなく峠のてっぺんに着いたと言うことで
今後の展開はめちゃくちゃ楽になりそうだ。
今回の行程で峠はこれ1個だけだ。
あとは平地をひたすら進んでいくだけなのだ。

よし、峠でこの程度の疲労感だったら、今日は250km、いや300kmも行けるのではないかと思った。

このままガシガシ進んで行きたい気持ちもあったが、
ここで、今回の旅の目的であった、塩狩駅&塩狩峠記念館に寄り道することにしましょう。
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ここまでの走行距離 165km 塩狩峠到達時間 AM9:50

(つづく)

# by gossy54200 | 2010-09-22 21:26 | ロード  

とにかく限界に挑戦してみる(その4 恐怖のトンネル)

いきなりこのページに迷い込んだ人は、黙って最初から読んでください。
その1 その2 その3

そんなわけで、とにかく意味もなく北にずんずん進むサイクリングも100kmを超えたわけですね。
路面はウェットですが、すっかり明るくなって見通しもよくなりました。
一路、旭川へと進むのみです。

旭川市突入。AM6:30ぐらい。
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とは言え、旭川市街まではまだ18kmもあるのだね。
気温は13度と低いが、さほど寒さは感じない。
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さて、旭川市街に入るためには、春志内トンネルというトンネルを抜ける必要がある。
このトンネルが1805mと長く、歩道や路側帯は狭く、しかも車はビュンビュン走っているという
自転車にとっては極悪トンネルである。
(下の動画の7分55秒から、今回の私のルートとは逆方向である)


非常に自転車にとっては恐ろしい道なのであるが、ご安心あれ!
自転車や歩行者はそこを迂回すべく、旭川サイクリングロードと言う自転車道を通ればよいわけなのだ。
ふふふ、サイクリングロードバンザイ!

ところが事前に調査したところ、このサイクリングロードは
落石の恐れがあるため通行止め
という、とんでもない事態が発覚した。
え、このトンネルをチャリで走れって言うのか?

一応、国道沿いに走っているサイクリングロードに目をやると
ゲートが閉じているわけでもなく、なんか行けそうな気もしたのであるが、
途中で行き止まりだと精神的ダメージがでかいので、おとなしくトンネルを走ることにしましょう。

反射タスキをかけて、テールライトを点滅させ、ライトは二灯流と完全夜装備です。
車の切れ目を狙って、トンネルに入りましょう。
あー、やだなー。
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せまーい、せまい路側帯を走ります。
幅50cmぐらいしかない中途半端な歩道つけるぐらいなら、ない方が自転車にとって走りやすいのに・・・。

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

けたたましい騒音だ。恐い。めちゃくちゃ恐い。とにかく恐い。全力で恐い。

あー、後ろから車が来るよぅ。

ビュュュューン

車が通過したときの風圧が恐いよぅ。
よろけるよう。コケそうだよう。コケたら死ぬぞ。


あー、もうだめだ。
許してください。
ドライバーの皆さん、こんな道を自転車で走ってごめんなさい。
おかーさん、こんなことはもう二度としません。
ついでに、生まれてすみません

すっかり太宰な人になりながら、わずか100mで自転車で走ることは断念した
無理だから。こんなの無理。絶対無理!

50cmぐらいしか幅のない歩道に自転車ごと乗り上げて、SPD-SLシューズで歩きます。
1.7kmをひたすらペンギン歩きで歩きます。
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車にひかれる可能性は限りなくゼロに近くなったわけだけど、
やっぱりコワイね。
騒音はすごいし、空気は最悪だし。とにかく心細い。
100mごとに出てくる「残り○○○m」という表示だけが、唯一の心の支えだったね。

20分ぐらい、ひたすらトンネルの中を歩きました。

出口です。
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出口なんです!
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もう、このときの安堵感と言ったら、筆舌に尽くしがたい。

俺、生きてるよ。

生きてるんだ。

生きててよかった!

もうすごく嬉しかった。嬉しいなんてもんじゃなかった。
「明るい開放的な空間が、こんなに素晴らしいんだ」ということが生まれて始めてわかった。

人は皆、闇の中、光を求めさまよっているわけだが
ほんとに光はありがたい。
暗闇をさまよっている人間がいたら、黙って光を差し出して、光をみんなに分けてやりたい。
しみじみとそんな気持ちにさせられた、今回の春志内トンネルであった。

トンネルを抜けたら路面は乾いていました。
さあ、もう何も恐れるものはない!北へ北へと向かうのだ!

ホテル「のうきょう」。
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昔、明石英一郎のラジオでさんざんネタにされていたラブホテルだ。
(北海道以外の方のために説明すると、明石さんは北海道ローカル局の局アナです)
満室時は「豊作」で、空室時は「不作」と表示されるらしい。

一体、あの中ではどんな素晴らしい行為が行われてるのだろうか、それに引き換え私は何をしているのか?
と疑問に思わないわけでもなかったが
今の神に与えられた私の使命は、北へ北へとストイックに進むことだけなのであった。
さあ、どんどん行くぜ!

ここまでの走行距離 120km

(つづく)

# by gossy54200 | 2010-09-21 21:46 | ロード  

とにかく限界に挑戦してみる(その3 直線道路を行く)

ここまでのお話 → その1 その2

「ひたすらロードバイクで北へ北へと向かいたい」という私の願望とはうらはらに
雨のために岩見沢で足止めをくらっていたのであった。
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通り雨なんだろうなあということは、頭の中ではわかっていても
やっぱり何十分もひたすらボーっと雨が止むのを待つのは、苦痛である。
「オレ、何でこんなことやってるんだろ?」
と無常感が漂い、すべてを投げ出したくなってくる。

ちょっと心くじけながら待つこと30分、やっと雨が上がってきたので走り出すことにしました。
あー、よかった。よかった。
この時点で無常感のことは完全に忘れた。

とは言え、アスファルトはビチャビチャで、ドロヨケのない自転車では、水跳ねまくりですね。
あっという間に足元はぐしょぐしょです。
気温も心なしか下がってきたような感じがして、ちょっと寒さを感じます。

それでもペダルを漕いでいると体は温まりますね。
ものの5分ぐらいで、寒さは気にならなくなりました。

相変わらずアスファルトはビチャビチャですが、これはもうしょうがないと思うしかないでしょう。
ジャブジャブ水を跳ねながら、前に進みます。
美唄市に入ってから、またポツポツと雨が降ってきましたが
そんなに強い降り方ではなく、走行には影響なし。

美唄市光珠内(こうしゅない)から29.2kmの日本一の直線道路に入ります。
そんで、美唄市街に入ると、雨は降っていなく、アスファルトも乾いていましたね。
ホントにこの日の雨は局地的なものだったようです。
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日本一の直線道路はやっぱり夜中でも真っ直ぐです。
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奈井江町に入った辺りで、激しい尿意をもよおしたので、道の駅でトイレ休憩。
この時点でAM4:00。
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ここがちょうど、日本一の直線道路の中間地点です。
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気温は12.3度。
すっかり秋ですなあ。
つい最近まで、暑さで全然寝られなかったのがウソのようだ。

でも、体動かしているんで、気温の割には寒さは全然感じないですね。
相変わらず20km/hぐらいのちんたらペースで、直線道路を北へと進んでいきます。

旭川まで63km。7時半ぐらいには着きそうかな?
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どこまでも真っ直ぐな道をひたすら行くと、そこは滝川市だった。この時点でAM4:40。
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フラッシュ焚いているので真っ暗に見えるけど、実際の明るさはこんな感じ。夜明けは近いです。
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滝川のカントリーサインが見えてから、数百メートル進んだところで日本一の直線道路は終わりです。
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「終わり」の文字が、いかにも終わりというもの悲しさを感じますね。
「真っ直ぐなのはこれで終わりだ、後は曲がろうとどうだろうとオレの知ったこっちゃない」
と訴えているような、投げやりな感じがよいです。

直線道路は終わりましたが、私のサイクリングはここからが本番です。

セブンイレブン滝川東町店で補給&休憩。この時点で走行距離は85km。
コンビニはセイコーマートが好きなのだが、24時間営業じゃないところが多いという罠にはまっていた。
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スローペースなので、体の疲れはそれほどでもないんだけど
眠気が襲ってきたので、コーヒーでも飲もうかなあと思ったところで、インパクトのある飲み物を発見した。
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「レッドブル」という栄養ドリンクなのであるが、
これがコーヒー一杯分のカフェインがあって、眠気覚ましによさげな感じで
更にアルギニンやビタミンB群が入っていて、アルギニンとは何かさっぱりわからないのだが、
とにかくこれさえ飲めば、みるみるうちに元気が出る強力なドリンクだという気がしたのであった。

サンドイッチをほおばって、レッドブルを飲んで出発します。

おー、こりゃあすげえ!

ファイト一発!元気100倍!

恐らく精神的なものもかなりあると思うのですが、かなり効きますコレ。
レッドブルは長距離サイクリングに必須の飲み物だわ。
レッドブル最強!レッドブルマンセー!
I cannot live without 'Red Bull'!
レッドブルパワーで、体力気力共にメラメラと燃え上がっていきます。

AM5:00。
空はすっかり明るくなりました。
レッドブルでハイになっていた私は、「新しい朝が来た、希望の朝だ」
と、ラジオ体操の歌を頭の中で歌っていた。

滝川東公園。よくわからないデカい像があったが、大して興味もないので素通り。
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深川市突入。AM5:30ぐらい。
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深川に入ってから、また路面が濡れてきたけど、雨は降っていなかったので、大きな問題はなし。
夜中のサイクリングは夜中でまた味わいがあるのだが、やっぱり明るい方が走りやすいな(当たり前だ!)

AM6:00。深川の道の駅でトイレタイム。この時点でちょうど100km。
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ここからが、いよいよ自分の限界への挑戦だ。

(つづく)

# by gossy54200 | 2010-09-20 13:43 | ロード